こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。
スタッドレスに履き替えて高速道路に乗ると、「このタイヤで100km/hも出していいのかな?」と不安になりますよね。120km/h区間を走る予定があるなら、なおさら気になるかなと思います。
この記事では、タイヤの速度記号と高速道路の法定速度を突き合わせたうえで、乾燥・雨・雪・凍結の路面別に速度の考え方を整理します。冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いも早見表にまとめたので、出発前の判断に使ってくださいね。
- スタッドレスの速度記号Qの意味と、高速道路の法定速度との関係
- 乾燥・雨・雪・凍結の路面別に見た速度の考え方
- 冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いと、表示別の通れる・通れない
- 高速走行による摩耗・燃費への影響と、出発前にやっておく準備
スタッドレスでも高速道路は法定速度で走れる
結論から言うと、速度記号の範囲内なら、スタッドレスでも乾いた高速道路を法定速度で走って大丈夫です。国産スタッドレスの乗用車サイズは多くが「Q」で、上限は160km/hあります。
法定速度の100km/hはもちろん、120km/h区間でも速度記号の上限には届きません。ただし、これは「タイヤが走れる速度の上限」の話。止まりやすさまで保証するものではない点は、先に押さえておきたいところです。
スタッドレスって雪道用のタイヤだよね。高速で100km/hなんて出しても平気なのかな?
タイヤの側面にある速度記号を見れば、上限の目安が分かるみたいですよ。まずはそこから一緒に確かめてみましょう。
速度記号Qは160km/hで120km/h区間も範囲内
速度記号は、タイヤのサイズ表記の末尾につくアルファベットです。ブリヂストンの定義では、決められた荷重をかけ、規定の条件で走れる最高速度を記号で表したもの。主な記号は次のとおりです。(出典:ブリヂストン『タイヤサイズの見方』)

| 速度記号 | 最高速度 |
|---|---|
| L | 120km/h |
| N | 140km/h |
| Q | 160km/h |
| R | 170km/h |
| S | 180km/h |
| T | 190km/h |
| H | 210km/h |
| V | 240km/h |
国産スタッドレスの乗用車サイズは、Q(160km/h)が大半です。欧州系の冬用タイヤには、TやHといった高い記号のサイズもあります。
一方、高速道路の法定速度は、標識の指定がなければ普通車で100km/hです。標識で引き上げられた区間では、上限120km/hまで出せます。
2026年8月時点の報道では、新東名の御殿場JCT〜浜松いなさJCTなどが120km/h区間として挙がっています。区間は見直しで変わるので、現地の標識に従うのが正解ですね。
| 速度記号 | 上限 | 法定100km/hとの差 | 120km/h区間との差 |
|---|---|---|---|
| Q(国産スタッドレスの大半) | 160km/h | 60km/hの余裕 | 40km/hの余裕 |
| S | 180km/h | 80km/hの余裕 | 60km/hの余裕 |
| T | 190km/h | 90km/hの余裕 | 70km/hの余裕 |
| H(欧州系冬用の一部サイズ) | 210km/h | 110km/hの余裕 | 90km/hの余裕 |
いちばん低いQでも、120km/h区間に対してまだ余裕があります。速度記号の上では、法定速度で走ること自体に問題はないと言えますね。
速度記号は条件付きの上限
速度記号の前提は、指定空気圧と規定の荷重です。空気圧不足・積みすぎ・摩耗・路面の水や雪は、この前提の外にあります。「Qだから雨でも120km/hで平気」とは読めないので注意してください。
自分のスタッドレスの速度記号はどこで見る?
速度記号は、タイヤ側面のサイズ表記で確かめられます。たとえば「195/65R15 91Q」なら、91がロードインデックス(荷重指数)、最後のQが速度記号です。
| 表記の部分 | 意味 |
|---|---|
| 195 | タイヤの幅(mm) |
| 65 | 偏平率 |
| R15の15 | リム(ホイール)径(インチ) |
| 91 | ロードインデックス(1本あたりの負荷能力の指数) |
| Q | 速度記号(Qは160km/h) |
純正タイヤのサイズは、運転席ドア付近の空気圧ラベルや取扱説明書に載っています。純正の夏タイヤがHやVの車でも、冬用はQの銘柄が一般的です。
冬用が純正より低い記号になる場合は、その記号の速度を上限として運転する前提になります。とはいえQなら上限は160km/h。日本の高速道路で、そこまで出す場面はまずありませんよね。
側面を見るついでに、「STUDLESS」「SNOW」の表記や、プラットホームの位置を示す矢印マークも見ておくと安心です。冬用タイヤ規制のとき、冬用と扱われるかどうかの手がかりになります。
4本とも同じサイズ・同じ銘柄のスタッドレスがそろっているかも、あわせて確認しておきましょう
危ないのは速度より路面、出発日の路面で決める
スタッドレスで高速を走るとき、気にすべきは速度記号より路面です。同じ速度でも、乾燥・雨・雪・凍結で止まるまでの距離がまるで変わります。

スタッドレスは、凍った路面の凹凸に密着させるため、夏タイヤより柔らかいゴムを使っています。そのぶん、雪や氷がない舗装路では踏ん張りが弱くなるんですね。出発日の天気と路面で出す速度を決めるのが、現実的な考え方かなと思います。
雪が降っていない日なら、いつもどおり走っても大丈夫なんじゃない?
それが、乾いた路面でも夏タイヤより止まるまで長いみたいなんです。路面ごとに整理してみましょう。
| 路面 | 何が起きるか | 目安になる数字 | 速度の考え方 |
|---|---|---|---|
| 乾いた舗装路 | 柔らかいゴムで、夏タイヤより止まるまで長い | 100km/hの制動距離 51.1m(50%摩耗スタッドレス)/47.5m(新品夏タイヤ) | 法定・規制速度の範囲で可。車間は長めに |
| 雨の舗装路 | 水を排出しきれず、タイヤが浮きやすい | 100km/hの制動距離 72.2m(50%摩耗スタッドレス) | 100km/h前後がいちばん危ない。速度を落とす |
| シャーベット | 水分の多い雪がわだちにたまり、雨と雪の悪いところが重なる | 公的な速度の目安は無い | 速度規制が出やすい。規制より控えめに |
| 圧雪路 | スタッドレスが最も効くが、乾燥路よりは長い | 40km/hの制動距離 17.3m | 規制速度に従い、普段より抑える |
| 凍結路 | スタッドレスでも桁違いに止まれない | 40km/hの制動距離 78.5m | 橋・トンネル出入口の手前で十分に減速 |
表で伝えたいのは、路面が悪くなるほど「規制速度まで出してよい」が通用しなくなること。ここからは、路面ごとに詳しく見ていきます。
乾いた高速でも夏タイヤより止まるまで長い
JAFは2015年のユーザーテストで、溝が新品時の50%まで減ったスタッドレスを夏タイヤと比べています。乾いた路面で100km/hから急ブレーキをかけると、スタッドレスは51.1m、新品(10分山)の夏タイヤは47.5mでした。(出典:JAFユーザーテスト『摩耗タイヤの検証』)
差だけを見ると、それほど大きくないと感じるかもしれません。それでも、夏タイヤの感覚で前の車に詰めていると、その差がそのまま追突までの余裕を削ります。
夏タイヤは、乾いた路面なら溝が減っても止まる距離がほとんど変わりませんでした。対してスタッドレスはどの夏タイヤよりも止まるまで長い結果で、柔らかいゴムの性格がそのまま出ています。
なお、このテストのスタッドレスはプラットホームが出た摩耗品です。新品スタッドレスの舗装路性能を示すものではない点は、割り引いて読んでください。
速度と止まる距離の関係も押さえておきましょう。止まる距離は、おおむね速度の2乗に比例して伸びます。同じテストでも、60km/hでは18.8m、100km/hでは51.1mでした。
速度を少し落とすだけで、止まるまでの余裕は思った以上に増えるということですね。乾いた高速では、夏より車間距離を長めにとる。これがスタッドレスで法定速度を走るときの前提になります。
雨の高速100km/hはハイドロプレーニングが弱点
雪のない高速道路でも、スタッドレスが苦手なのが濡れた舗装路を100km/h前後で走る場面です。雪道より安心だと思いがちな場面なので、意外ですよね。
先ほどのJAFユーザーテストで、濡れた路面(ウェット)での100km/hからの制動距離は、50%摩耗のスタッドレスが72.2mでした。新品の夏タイヤは47.6mなので、約25mも長い計算です。
溝が2分山まで減った夏タイヤでも70.5mで、冬に使い込んだスタッドレスはそれより止まれませんでした。雨の日のスタッドレスは、すり減った夏タイヤより止まりにくいと考えておくのがよさそうです。
原因のひとつが、ハイドロプレーニング現象です。タイヤと路面の間に水の膜が入り込み、タイヤが浮いてハンドルもブレーキも効かなくなります。
ブリヂストンの試験(水深6mm)では、新品タイヤでも約80km/hで一部が浮き、約100km/hでほとんど浮いた状態になりました。溝が浅いほど、もっと低い速度で起きるとされています。
スタッドレスは柔らかいゴムと氷雪向けの溝の形のため、水を排出しきれず水膜ができやすい性格です。冬の高速は除雪や融雪剤の散布で濡れている時間も長く、雪がなくても油断できません。
雨の高速で気をつけること
速度を控え、車間距離を十分にとる。雨の降り始めや、白線・鉄板の上、水がたまったわだちに注意する。もしタイヤが浮いたら、ハンドルをしっかり握ってアクセルから足を離し、急ハンドル・急ブレーキはしない。グリップが戻ってから、ゆっくり減速します。
雪道は50km/h規制でも凍結路はさらに落とす
雪の高速道路では、路面や視界に応じて50〜80km/hの速度規制がかかることがあります(NEXCO中日本)。ただし規制速度は「そこまで出してよい上限」で、凍結路ならさらに下げる必要があります。
JAFの2017年のテストでは、新品スタッドレスで40km/hから急ブレーキをかけた制動距離は、圧雪路で17.3m、氷の路面で78.5mでした。同じ速度でも、凍った路面では圧雪路の4倍以上を滑ることになります。
物理則で80km/hに当てはめると、圧雪路で70m前後、氷の路面では約300m規模になる計算です。実測ではない概算ですが、高速の速度域で凍結路に入ると止まれないことが分かりますよね。
実は、JAFやNEXCO、タイヤメーカーは、雪道の推奨速度をkm/hの数字では示していません。数字で出ているのは、規制速度、除雪車の速度(およそ40〜50km/h)、チェーン装着時の上限くらいです。
凍結しやすいのは、風通しのよい橋の上・陸橋・トンネルの出入口付近。夕方から明け方は、濡れて見える路面が実は凍っている「ブラックアイスバーン」にも注意が必要です。こうした場所の手前では、規制速度よりも十分に落としておきましょう。
4WDだから大丈夫、とも考えないほうが安心です。4WDは発進や登り坂に強い一方、止まる距離は短くなりません。車が重いぶん、下り坂ではかえって止まりにくくなることもあります。
除雪作業車は追い越さず、後ろについて待ちましょう。道路情報板の「低速車作業中」が目印です
冬用タイヤ規制とチェーン規制の違いと見分け方
2つの規制の違いは、スタッドレス4本で通れるかどうかです。冬用タイヤ規制ならスタッドレスで通れますが、チェーン規制ではスタッドレスでもチェーンが必要になります。
名前が似ていて、いつもごちゃごちゃになっちゃうんだよね。
ですよね。どっちも雪の日に出るので紛らわしいんですけど、通れるタイヤが違うみたいです。順番に見ていきましょう。
NEXCOの案内では、冬の規制は一般に「速度規制→冬用タイヤ規制→チェーン規制→通行止め」の順に強まります。地域によっては、途中の段階を飛ばしていきなり通行止めになることもあります。
冬用タイヤ規制ならスタッドレス4本で通れる
冬用タイヤ規制は、冬用タイヤやチェーンを付けていない車を通行止めにする規制です。チェーン規制よりずっと頻繁に出るので、冬の高速でよく見かけるのはこちらですね。
スタッドレスなら、全輪に装着していればチェーンなしで通れます。夏タイヤの車でも、チェーンを付ければ通行できます。
冬用と扱われる目印は、タイヤ側面の「STUDLESS」「SNOW」の表記です(NEXCO西日本)。オールシーズンタイヤは、スノーフレークマークが付いたものに限られます。
| 側面の表示 | 意味 | 冬用タイヤ規制での扱い |
|---|---|---|
| STUDLESS / SNOW | 国内の冬用タイヤの表記 | 冬用タイヤとして通れる |
| スノーフレークマーク(山と雪の結晶の図) | 雪上性能の試験に合格したタイヤに付く | 冬用タイヤとして通れる |
| M+S のみ | 泥道・雪道にある程度対応するとメーカーが自主的に付ける表示 | 冬用と扱われない場合がある |
大雪のときは、山間部手前のICやSAで係員がタイヤを目で確認することもあります。2026年1月には、広島県の料金所付近でノーマルタイヤの車が約3,000台Uターンさせられたと報じられました。
せっかく遠出しても、タイヤ確認で引き返すことになったら残念ですよね。出発前に側面の表示を一度見ておくだけで、こうした心配はかなり減らせます。
冬用タイヤは全輪に装着が条件です。前輪だけなど一部の車輪だけでは、冬用タイヤ規制を通れません
全車両チェーン装着規制はスタッドレスでも必須
チェーンが必要になる規制は、主に次の3つです。どれもスタッドレスを4本履いていても、チェーンなしでは通れません。
| 規制 | どこで・どんなときに出るか |
|---|---|
| チェーン規制(タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め) | 国土交通省が指定した13区間(直轄国道6・高速道路7)。大雪特別警報が出るような異例の降雪時 |
| チェーン装着車以外通行止め | 高速道路で、高速道路交通警察隊長の交通規制として行われる場合がある |
| 全車両チェーン装着規制 | 一般道の山間部で、府県の施行細則にもとづく緊急措置として行われることがある |
高速道路でチェーン規制の対象になるのは、上信越道・中央道・北陸道・米子道・浜田道にある7区間です。たとえば中央道の須玉IC〜長坂IC、北陸道の木之本IC〜今庄ICが含まれます。(出典:国土交通省『大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)』)
冬にこのあたりを通る予定があるなら、スタッドレスでもチェーンを積んでおくのが安心かなと思います。ただ、13区間の外でも、警察の規制でチェーンが必須になる場合があります。「13区間以外ならチェーンはいらない」とは言い切れない点に注意してください。
使えるチェーンは、カー用品店などで売られている金属・非金属・布製のものです。一方、スプレーで薬剤を吹き付けるタイプは、チェーン規制中には認められません。
チェーン規制に違反して通行すると、道路法により6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。罰則の重さからも、別格の規制だと分かりますね。
標識別早見表、スタッドレスで通れる規制はどれ?

道路情報板や標識の表示ごとに、スタッドレス4本で通れるかをまとめました。「チェーンを付けていない車は通行止め」という意味の表示なら、スタッドレスでも通れないと覚えておくと迷いにくいです。
| 情報板・標識の表示 | スタッドレス4本で通れるか | チェーン | 速度 |
|---|---|---|---|
| 速度規制(例: 50km/h) | 通れる | 不要 | 規制速度以下 |
| 冬用タイヤ規制(冬用タイヤ装着車以外通行止め) | 通れる(全輪装着が条件) | 不要(夏タイヤ車はチェーンで通行可) | 規制速度と路面に合わせる |
| チェーン規制(青地の標識) | 通れない | 必要(駆動輪・スプレー式は不可) | 金属30km/h・非金属50km/h以下 |
| チェーン装着車以外通行止め/全車両チェーン装着規制 | 通れない | 必要 | 同上 |
| 通行止め | 通れない | — | — |
チェーン規制の標識は、通行止め系の標識で唯一の青地に白の図柄です。常設の規制ではないので、平時に標識を見かけても、規制が出ていなければチェーンなしで通れます。
規制の情報は、道路管理者のホームページやSNS、ラジオの交通情報、道路情報板などで知らされます。出発前と途中のSA・PAで、こまめに確かめておくと安心ですね。
高速走行でスタッドレスの摩耗と燃費はどうなる?
乾いた高速を長く走るほど、スタッドレスは冬用として使える溝を早く減らし、燃費も夏タイヤより悪くなりがちです。悪化の一部は、空気圧の管理で抑えられます。
どちらも走り方の工夫だけではゼロにできない、スタッドレスの性格に近い部分ですよね。だからこそ、知ったうえで使い方を決めるのが大事かなと思います。
乾いた高速の長距離は冬用の溝を早く使い切る
スタッドレスの柔らかいゴムは、乾いた舗装路とこすれて削れやすい性格です(ブリヂストン)。高速の長距離移動は、まさに乾いた舗装路を長く走る使い方ですね。
しかも冬用として使えるのは、溝が新品時の50%になるまで。新品で約9〜10mmある溝のうち、残り約5mmで冬用としては終わりです。
つまり、夏タイヤより「使える溝」が少ないということ。高速の往復で溝を減らすほど、肝心の雪道での性能を早く手放すことになります。
摩耗のペースは、3,000〜5,000km走るごとに約1mmが目安とされています。速度そのものでどれだけ減り方が変わるかは、メーカーから数値が出ていません。
冬用の限界は、側面の矢印マークの先にあるプラットホームで確かめられます。100円玉の縁から「1」までが約5mmなので、溝に差し込んで「1」が見えたら50%摩耗の目安です。
硬貨はあくまで簡易チェックなので、気になるときはタイヤ専門店で測ってもらうと確実です。減ったスタッドレスは、先ほどのJAFテストのとおり、雨の高速では比べた4本の中でいちばん止まれませんでした。摩耗と雨のリスクはセットで考えておきたいところです。
燃費悪化とバーストは乗る前の空気圧点検で防ぐ
スタッドレスは、夏タイヤより燃費が悪くなる傾向があります。転がり抵抗の約9割はタイヤの変形によるもので、柔らかいゴムほど変形が大きいためです(ブリヂストン)。
悪化の幅は、メーカーから公式な数値が出ていません。販売店などの解説では、乾いた舗装路で夏タイヤより5〜15%程度悪くなるとされています。
スタッドレスは低燃費タイヤのラベリング制度の対象外です。夏タイヤのように、カタログの等級で燃費を比べることもできません。
そこで効いてくるのが空気圧です。空気圧が50kPa不足すると、高速道路での燃費が4.8%悪くなるという調査があります。
冬は気温が下がるぶん、空気圧も下がりやすい季節。履き替えたときのまま放っておくと、知らないうちに不足していることも多いんですね。
空気圧不足は、燃費だけでなくバーストの原因にもなります。空気が足りないまま高速を走り続けると、タイヤが波打つ「スタンディングウェーブ現象」が起きます。内部が異常に発熱して傷み、破裂に至ることがあります。
JAFの2025年度のロードサービスでは、高速道路の四輪の出動理由1位が「パンク・バースト・空気圧不足」で、44.02%を占めました。高速でのトラブルの半分近くがタイヤと考えると、点検の大事さが分かりますよね。
高速に乗る前の空気圧点検
タイヤが冷えているうちに、空気圧ゲージで4本とも測ります。基準は運転席ドア付近のラベルにある車両指定空気圧です。走ったあとに熱で上がった空気圧は、異常ではないので抜かないでください。
高速に乗る前に慣らし200kmとチェーン積載を
スタッドレスで高速道路を走る前の準備は、新品なら慣らし走行を済ませること、そしてチェーンを積んでおくことの2つが柱です。

ブリヂストンは、新品スタッドレスの装着時に60km/h以下で200km以上の慣らし走行を求めています。タイヤを路面になじませ、本来の性能を出すためです。
履き替えたその日にスキー場へ高速で直行すると、慣らしが済まないまま高速域や雪道に入ることになります。履き替えは出発の数日前に済ませ、一般道で200kmほど走っておくのが理想かなと思います。
チェーンは、チェーン規制や警察の規制に出くわしたときの保険です。ブリヂストンのQ&Aでも、スタッドレスを履いていても緊急脱出用にサイズの合うチェーンを用意するよう勧めています。
装着は本線上ではなく、SA・PAやチェーン着脱場で行ってください。付けるのはFF車なら前輪、FR車なら後輪です。4WDは車の基本構造で変わるので、取扱説明書で確かめましょう。
寒くて暗い中、手袋のまま初めて付けると手間取りがち。購入したら一度、平らで乾いた場所で付ける練習をしておくと安心ですよ。
| 出発前の準備 | 確認すること |
|---|---|
| 慣らし走行 | 新品なら60km/h以下で200km以上走っておく(ブリヂストン) |
| 空気圧 | 冷えた状態で4本とも車両指定空気圧に合わせる |
| 残り溝 | プラットホームが出ていないか(新品時の50%以上残っているか) |
| チェーン | サイズの合うものを積み、一度装着を練習しておく |
| 規制情報 | 道路情報板やNEXCOの情報で、規制の段階を確かめる |
| 車の雪 | 屋根・ガラス・ライト類の雪を落としてから出発する |
屋根に雪を載せたまま走ると、落ちた雪が周りの車に危険を及ぼします。県によっては公安委員会の遵守事項違反に問われることもあるので、出発前に落としておきましょう。
ここで挙げた数値は、あくまで一般的な目安です。正確な規制情報は道路管理者や警察の公式サイトで、タイヤの状態は購入店や整備工場で確認してください。判断に迷うときは、専門家に相談するのがいちばん確実です。
危ないと感じたら無理に走り続けず、SA・PAで休むか、ロードサービスに相談する前提で計画を立てておきましょう
スタッドレスの高速道路と速度のよくある質問
チェーンを付けたまま高速道路を走るとき、速度は何km/hまでですか?
ブリヂストンの使用上の注意では、金属チェーンは30km/h以下、非金属チェーンは50km/h以下が目安です。布製は製品により40〜50km/h程度とする解説もあります。超えるとチェーンが壊れる原因になるので、実際の上限は製品の取扱説明書で確かめてください。雪のない舗装路に出たら、こまめに外すのが基本です。
4WDなら、チェーン規制でもスタッドレスのまま通れますか?
通れません。チェーン規制は4WDも対象で、国土交通省は理由を「重量が大きく、下り坂で急ブレーキをかけたときの停止距離が長くなる」と説明しています。4WDは発進や登り坂には強いものの、止まる力が増えるわけではありません。4WDでもチェーンは積んでおくのが安心です。
雪道をノーマルタイヤで走ると違反になりますか?
積雪・凍結した道路で滑り止めの措置をとる義務は、沖縄県を除く各都道府県の規則で定められています。違反すると反則金の対象で、普通車は6,000円です。書きぶりは県によって違うので、走る地域の規則を確かめてください。そもそも危険なので、雪の予報がある日はノーマルタイヤで出かけないのが前提ですね。
雪の高速道路で、追従クルーズや自動ブレーキに頼っても大丈夫ですか?
頼らないほうが安心です。JAFのテストでは、新品スタッドレスで自動ブレーキが止まりきれたのは圧雪路・時速10kmのときだけでした。圧雪路の30km/hや氷の路面では、障害物にぶつかっています。雪道では、速度を落として車間距離をとることで余裕を作りましょう。
春になっても、スタッドレスのまま高速道路を走って問題ありませんか?
スタッドレスを夏に履いていること自体は違反ではありません。残り溝が1.6mm以上あり、ひび割れなどの損傷がなく空気圧も適正なら、スタッドレスだからという理由で車検に落ちることもありません。ただ、摩耗が進みやすい、燃費が悪くなりがち、雨の日に止まるまで長いという3つの不利は残ります。ブリヂストンやヨコハマも冬が過ぎたら夏タイヤへの交換を勧めているので、雪の心配がなくなったら履き替えるのがおすすめです。
まとめ:スタッドレスの高速は速度より路面と規制で判断
速度記号の上では大丈夫でも、雨や凍結の日は話が別なんだね。
そうなんです。出発日の路面と規制を見て決める、が一番みたいですね。
スタッドレスでも、速度記号の範囲内なら乾いた高速道路を法定速度で走れます。ただし本当に気をつけたいのは速度そのものより、雨・シャーベット・凍結の路面と、伸びる制動距離です。

- 国産スタッドレスの多くはQ(160km/h)で、法定100km/h・120km/h区間とも範囲内
- 乾いた路面でも夏タイヤより止まるまで長いので、車間は長めにとる
- 雨の高速100km/h前後は、減ったスタッドレスだと2分山の夏タイヤより止まれない。ハイドロプレーニングに注意
- 雪道の規制速度は上限。凍結路や橋の上・トンネル出入口ではさらに落とす
- 冬用タイヤ規制はスタッドレス4本で通れるが、チェーン規制などはチェーン必須
- 高速の長距離は冬用の溝を早く減らす。乗る前の空気圧点検で燃費とバーストに備える
- 新品は慣らし走行(ブリヂストンは60km/h以下で200km以上)、チェーンは積んで装着を練習しておく
数値は一般的な目安で、規制や区間は見直されることがあります。正確な情報は道路管理者や警察の公式サイトで確認し、タイヤの状態に不安があれば整備工場やタイヤ専門店に相談してくださいね。
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