こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。
春先は何かと忙しく、タイヤ交換の予約はつい後回しになりがちですよね。気づけば暑くなってきて「このままスタッドレスを夏も履きっぱなしで大丈夫?」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、スタッドレスを夏に履くこと自体は違法ではなく、車検も通ります。ただし、雨の日に止まりにくくなる点と、次の冬に使う溝を夏に削る点で損をします。そのため、春には夏タイヤへ戻すのが基本です。
この記事では、JAFの試験データやタイヤメーカーの公式情報を確かめながら、履きっぱなしの損を数字で整理しました。溝が減ったスタッドレスを履きつぶしてよい条件や、夏タイヤへ戻す時期・費用もまとめています。白黒をつけるのではなく、あなたの状況に合わせて判断できる内容にしました。
- スタッドレスを夏に履くのは違法か、車検に通るかの境界線
- 雨の日の制動距離と、燃費・寿命で夏にどれだけ損をするか
- 履きつぶしてよいかを自分で確かめる3点(溝・製造年・ひび割れ)
- 夏タイヤへ戻す時期の目安と、自分・店・通販取付の費用比較
夏の履きっぱなしは違法でないが損、春に戻すべき
スタッドレスで夏を走ること自体は違法ではなく、溝が1.6mm以上あれば車検にも通ります。それでも雨の日の止まりにくさとタイヤ寿命の両面で損をするので、春には夏タイヤへ戻すのが基本です。例外は、冬用としての寿命を終えたスタッドレスを最後に履きつぶすケース。条件を満たせば、現実的な選択肢になりますよ。

違法じゃないなら、夏もこのまま履いちゃってもいいのかな?
法律の上では問題ないみたいですよ。ただ、損をするポイントがいくつかあるみたいなんです。
そうなんだ。どんな損なのか、一緒に確かめてみようよ!
ですね。まずは全体像から見ていきましょう。
雨と寿命で損をするが、履きつぶしは条件付きでOK
夏にスタッドレスを履き続けたときの損は、大きく分けて3つあります。中でも重いのは、雨の日の安全とタイヤ寿命です。
| 損の種類 | どんな損か | 大きさの目安 |
|---|---|---|
| 雨の日の安全 | 濡れた路面で止まるまでの距離が延びる | 濡れた路面100km/hで、新品夏タイヤより約25m長い(摩耗したスタッドレスの試験) |
| タイヤ寿命 | 次の冬に使うはずの溝を夏に削る | 春〜秋の走行で、冬1シーズン分に近い溝を使いうる(試算) |
| 燃費 | 柔らかいゴムが変形して燃費が落ちる | 年に数千円程度(試算) |
意外かもしれませんが、燃料代の差はそれほど大きくありません。一番の損は、高価なスタッドレスの寿命を夏に使ってしまうことです。まだ冬に使える溝があるなら、外して保管するのが得策かなと思います。
一方で、すでに冬用として寿命を迎えたタイヤは話が別です。次の冬にもう使わないなら、夏に削っても失う冬の性能はありません。溝・製造年・ひび割れの条件を満たし、晴れの街乗りが中心なら、履きつぶしも選択肢に入ります。
| あなたの状況 | おすすめの判断 |
|---|---|
| スタッドレスがまだ冬に使える(プラットホームが出ていない・年数に余裕がある) | 外して保管し、夏タイヤに戻す |
| 冬用の寿命を迎えた・溝1.6mmまで余裕がある・晴れの街乗りが中心 | 条件つきで履きつぶしも選択肢 |
| 雨の日も高速や長距離を走る | 夏タイヤに戻す(雨の高速で最も止まりにくい) |
| 夏タイヤを持っていない・夏タイヤも寿命 | 夏タイヤを新調するか、次の冬用を買う時期と合わせて検討 |
それぞれの条件の確かめ方は、この記事の後半で詳しく紹介します。
違法ではなく車検も通る、境界は溝1.6mm
スタッドレスを夏に履いていても、それだけで違反になることはありません。タイヤの基準を定めた保安基準には、冬用・夏用の区別も、季節ごとの装着制限もないからです。タイヤメーカーも「一律に禁止する法令はない」と説明しています。
合否を分けるのは季節ではなく、溝の深さ1.6mmです。保安基準の細目を定める告示(第89条)で、溝はどの部分でも1.6mm以上と決まっています。この深さを知らせる目印が、スリップサインです。
紛らわしいのが、スタッドレスだけにあるプラットホームという目印。こちらは冬用タイヤとしての限界を示すもので、保安基準の測定対象からは外されています。つまり、プラットホームが出ていても、主溝が基準を満たしていれば車検は通ります。
| 目印 | スリップサイン | プラットホーム |
|---|---|---|
| 意味 | タイヤそのものの使用限界 | 冬用タイヤとしての使用限界 |
| 出てくるタイミング | 残り溝1.6mm | 新品から溝が50%減ったとき |
| 側面のマーク | 三角(△)が6ヶ所 | 矢印(↑)が4ヶ所 |
| 出たときの扱い | 走行は法令違反・車検不合格 | 冬用としては使えない。夏タイヤとしては1.6mmまで使える |
スリップサインが出たまま公道を走ると、整備不良として取り締まりの対象です。警視庁の一覧(2026年4月1日現在)では、違反点数2点、普通車の反則金9,000円とされています。履きつぶしの終点はここで、これを越えて走る選択肢はありません。(出典:警視庁『反則行為の種別及び反則金一覧表』)
車検ではほかに、ひび割れやコードの露出がないかも見られます。タイヤの負荷能力(ロードインデックス)が車に足りているかも確認点です。スタッドレスを純正より小さいロードインデックスで買っている場合は、季節に関係なく不適合になりえます。
ただし、「車検に通る=安全」ではありません。車検で見るのは溝や損傷などで、雨の日にどれだけ止まれるかまでは確かめないからです。その雨の日の話を、次の章で見ていきましょう。
スタッドレスタイヤを夏に使う危険は雨と高速
夏にスタッドレスで走る危険が大きく出るのは、雨の日と、スピードが出る高速道路です。晴れた日の街乗りなら夏タイヤとの差は小さめですが、雨と速度が重なると差がはっきり開きます。ここで紹介する数字は試験条件での一例なので、あくまで目安として読んでください。

雨で滑りやすく2分山の夏タイヤより止まれない
JAFが2015年に行ったテストでは、濡れた路面ではスタッドレスが2分山の夏タイヤよりも止まれないという結果が出ています。試されたのは、プラットホームが出るまで減ったスタッドレスです。冬に使い切り、夏に履きつぶそうとしている状態とほぼ同じと言えます。(出典:JAF『摩耗タイヤの検証(JAFユーザーテスト)』)
| タイヤ | 乾いた路面 60km/h | 乾いた路面 100km/h | 濡れた路面 60km/h | 濡れた路面 100km/h |
|---|---|---|---|---|
| 夏タイヤ 新品(10分山) | 17.0m | 47.5m | 16.7m | 47.6m |
| 夏タイヤ 5分山 | 16.3m | 44.1m | 16.7m | 50.8m |
| 夏タイヤ 2分山 | 15.8m | 42.6m | 18.0m | 70.5m |
| スタッドレス(50%摩耗) | 18.8m | 51.1m | 20.3m | 72.2m |
表の中で注目したいのは、濡れた路面を時速100kmで走ったときです。新品の夏タイヤが47.6mで止まったのに対し、スタッドレスは72.2m。約25mも長く、およそ1.5倍にあたります。
「溝が半分残っているから、夏タイヤ代わりに十分」という感覚とは逆の結果ですよね。晴れた日の差は1割ほどにとどまるので、危険の大半は雨の日に出ると考えてよさそうです。JAFも、摩耗したスタッドレスを夏に使っている人へ、雨の日の注意を呼びかけています。
曲がりながらブレーキを踏む場面では、さらに差が開きます。濡れた路面を時速60kmで旋回しながら止まるテストでは、制動距離が19.4mから26.7mへ延びました。前輪が進路からはみ出した幅は、1.3mに対して4.8mと3倍以上です。
距離だけでなく、進路を保ちにくい点も怖いところ。雨のカーブや交差点で、思ったラインのまま止まれない可能性があります。
スタッドレスが雨に弱い理由は、ゴムと溝の作り。ブリヂストンの説明では、柔らかいゴムは気温が高いとさらに柔らかくなり、ブレーキの力を路面に伝えにくくなります。
加えて、氷雪向けの溝は雨水を排水しきれないことがあります。タイヤが水の膜に乗り、ハンドルもブレーキも効かなくなるハイドロプレーニング現象が起きやすくなるのです。溝が減るほど、このリスクは高まります。
なお、この試験は摩耗したスタッドレスでの結果で、新品の性能を示すものではありません。新品でも高温時に止まりにくくなる可能性はメーカーが説明していますが、数値は公表されていません。雨の日は速度を控えめにし、いつもより早めにブレーキを踏むよう心がけてください。
夏の高速はバーストに要注意、空気圧は月1回点検
夏の高速道路では、雨とは別にタイヤのバーストにも注意が要ります。JAFの2025年度の出動統計で、高速道路の四輪の出動理由の1位は「タイヤのパンク・バースト・空気圧不足」でした。件数は26,985件で、全体の44.02%を占めています。(出典:JAF『よくあるロードサービス出動理由』)
高速道路での出動の4割超がタイヤのトラブル、というのは驚きますよね。中でも高速道路では、バーストが多いのが特徴とされています。
バーストが起きる流れはこうです。空気圧が足りないまま高速で走り続けると、タイヤのたわみが大きくなります。変形が戻る前に次の回転が来てタイヤが波打ち(スタンディングウェーブ現象)、内部が発熱して壊れてしまいます。
スタッドレスはもともと柔らかく、たわみやすいタイヤです。夏の高速や長距離をスタッドレスで走るなら、空気圧の点検がいつも以上に大切になります。点検は月1回が基本(JATMA)で、タイヤが冷えているときに車の指定値へ合わせます。
もうひとつ、タイヤ側面の速度記号も確かめておきたいところです。スタッドレスは「Q(160km/h)」の製品が多いとされ、日本の高速道路の最高速度の範囲なら、記号の上では足ります。
ただし、速度記号は発熱や変形に対する余裕を示すもので、「夏の高速でも安全」という意味ではありません。お盆の帰省や行楽など、高速を長く走る予定があるなら、その前に夏タイヤへ戻しておくと安心です。不安な点は、タイヤ専門店や整備工場で点検してもらいましょう。
燃費と寿命で夏にどれだけ損をする?
燃料代の損は、一般的な走り方の試算で年に数千円程度です。それよりも大きいのは、次の冬に使うはずのスタッドレスの溝を、夏のあいだに削ってしまう損。お金に換算しにくいぶん、見落としやすいポイントかなと思います。

燃費が悪くなるって聞くけど、実際いくらくらい損するんだろう?
ガソリン代は意外と小さいみたいですよ。気をつけたいのは、タイヤそのものの寿命の方かなと。
へえ、そうなんだ。計算して確かめてみようよ!
燃費悪化は年いくら?ガソリン代を試算
スタッドレスで燃費が落ちるのは、柔らかいゴムが転がるたびに大きく変形するからです。ブリヂストンによると、タイヤの転がり抵抗の約9割は、この変形によるものとされています。
ただし、どれだけ燃費が落ちるかの数値は、メーカー公式では公表されていません。販売事業者の解説では、乾いた舗装路で夏タイヤより5〜15%程度悪くなるとされています(メーカーの試験値ではありません)。この幅を使って、年間のガソリン代を試算してみました。
| 試算の前提 | 設定した値 |
|---|---|
| 年間走行距離 | 6,728km(民間調査の平均) |
| スタッドレスで走る距離 | 春〜秋の8か月分=4,485km |
| 夏タイヤでの燃費 | 15km/L |
| ガソリン代 | レギュラーの全国平均169.9円/L(2026年9月14日調査) |
この条件で、悪化率ごとに余分にかかる燃料代を出すと、次のようになります。
| 燃費の悪化率 | スタッドレスでの燃費 | 余分にかかる給油量 | 余分にかかる燃料代 |
|---|---|---|---|
| 5% | 14.25km/L | 約15.7L | 約2,674円 |
| 10% | 13.5km/L | 約33.2L | 約5,645円 |
| 15% | 12.75km/L | 約52.8L | 約8,965円 |
悪化率が大きめでも、燃料代の差は年に数千円の規模に収まります。お店で履き替える工賃(春と秋の年2回)と比べても、同じくらいか下回る水準です。
「それなら、履き替えずにガソリン代を払ったほうが楽かも」と感じるかもしれません。ただ、この計算にはタイヤ自体の減りが入っていません。本当の損は、次の見出しで見るタイヤ寿命の方にあります。
なお、燃費の良さを比べる「低燃費タイヤのラベリング制度」は、スタッドレスを対象外としています。そのためスタッドレスには転がり抵抗の等級が表示されず、夏タイヤと等級で比べることはできません。試算は車種や走り方で変わるので、あくまで目安として見てください。
寿命が縮むのが一番の損、次の冬の溝を夏に削る
夏に履きっぱなしにする一番の損は、冬に使うはずの溝を夏に削ってしまうことです。ブリヂストンも、夏は摩耗が通常以上に進み、寿命が縮まると説明しています。ただ、摩耗がどれだけ速まるかの倍率は公表されていません。
スタッドレスが冬用として使えるのは、溝が新品の半分に減るまでです。新品の溝は約9〜10mmなので、残り約5mmでプラットホームが出ます。溝は3,000〜5,000km走るごとに約1mm減るのが目安。冬用としては、4シーズン前後使える計算です。
では、夏のあいだも走り続けるとどうなるでしょうか。先ほどの試算と同じく春〜秋に約4,500km走ると、約0.9〜1.5mmの溝を使う計算になります。しかもこれは、夏の気温で摩耗が速まる分を含まない数字です。
つまり、冬1シーズン分に近い溝を、夏だけで失いかねません。冬に4シーズン使えるはずのタイヤが、夏にも履くことで3シーズン分ほどに縮むイメージです。スタッドレスは夏タイヤより高価な傾向があり、買い替えが早まると燃料代の差より大きな出費になりえます。
「夏も履けばタイヤ代が浮く」と考えがちですが、浮くのは夏タイヤの減りと履き替えの工賃だけ。そのぶん、次のスタッドレスを買う時期が早まります。まだ冬に使えるスタッドレスを夏に履くのは、節約になりにくい構造と言えます。
保管していてもゴムは年月とともに硬くなるので、劣化がゼロになるわけではありません。それでも、直射日光や熱、雨を避けた屋内での保管は、炎天下の路面を走るのとは条件がまるで違います。まだ溝が残っているなら、外して保管する方がタイヤの寿命を無駄にせずに済みますよ。
溝が減ったスタッドレスは夏に履きつぶしていい?
冬用としての寿命を迎えたスタッドレスなら、条件を満たす範囲で、晴れの日の街乗りに使うのは現実的な選択肢です。ただし、雨の日や高速を走るなら夏タイヤを用意した方が安心。なお、タイヤメーカーが履きつぶしを勧めているわけではない点は、先にお伝えしておきます。

冬にはもう使えないスタッドレスなら、夏に使い切っちゃうのはアリなのかな?
条件しだいみたいですよ。タイヤの状態と、どんな道を走るかで変わるみたいです。
なるほど。まずは自分のタイヤを見てみるところからだね。
ですね。危なそうならお店で見てもらう前提で、一緒に確かめていきましょう。
自分のタイヤで確かめる3点、溝・製造年・ひび割れ
履きつぶしを考える前に、大前提がひとつあります。次の冬にスタッドレスとして使わないタイヤであることです。プラットホームが出ている、または年数やゴムの硬さで冬用の寿命を迎えている状態を指します。
溝が8割残っていても、6〜8年たってゴムが硬くなっているケースもあります。見た目が新しくても冬には使えないので、年数と硬さも合わせて見てください。まだ冬に使えるタイヤなら、履きつぶしではなく外して保管が基本です。
この前提を満たしたら、次の3点を4本すべてで確かめます。
| 確認項目 | 見る場所・方法 | 履きつぶしをやめるサイン |
|---|---|---|
| 溝の深さ | スリップサイン(側面の△マークの延長線上)。5円玉を溝に差し込む方法も | スリップサインが出ている、または夏の終わりまでに1.6mmへ届きそう |
| 製造年 | 側面の「DOT」から始まる刻印の末尾4桁 | 製造から10年を超えている |
| ひび割れ・損傷 | トレッドと側面の全周 | 内部のコードに届くひび割れ、コードの露出、側面の膨らみ |
溝は、硬貨を使うと手軽に目安がわかります。5円玉を溝に垂直に差し込み、「五円」の文字がすべて見えたら残り約1.6mmのサインです。1本につき3ヶ所以上測り、先に減りやすい駆動輪も忘れずに見てください。
夏のあいだにも溝は減っていきます。先ほどの試算では、春〜秋で約0.9〜1.5mm。この減りを見込んで、夏の終わりまでに1.6mmへ届かないかを確かめておきましょう。硬貨での測定は簡易的な方法なので、心配ならお店でデプスゲージを使って測ってもらうと確実です。
製造年は、側面の「DOT」から始まる英数字の末尾4桁で読めます。前の2桁が週、後ろの2桁が西暦の下2桁で、たとえば「3624」なら2024年の第36週です。JATMA(日本自動車タイヤ協会)は、製造から10年たったタイヤの交換を勧めています。(出典:日本自動車タイヤ協会(JATMA)『安全に乗るために』)
夏に使うかどうかに関係なく、この年数は上限と考えてください。刻印は片側にしかないことが多いので、外側で見つからなければ内側ものぞいてみましょう。
ひび割れは、深さが大事です。内部のコード(カーカス)に届いていなければ、使えるとされています。届いていれば走行中にバーストするおそれがあり、すぐに交換が必要です。側面の局所的な膨らみやコードの露出も、年数に関係なく交換の対象になります。
夏は路面が熱く、空気圧不足と重なるとバーストの引き金になりやすい季節です。ひび割れの深さを自分で見分けるのは難しいので、少しでも気になったらタイヤ専門店や整備工場で点検してもらってください。
晴れの街乗りならOK、雨の日と高速は夏タイヤへ
3点の確認をクリアしたタイヤでも、使い方しだいで危なさは大きく変わります。JAFの試験から言えるのは、晴れの日の低速ではスタッドレスと夏タイヤの差が小さいこと。反対に、雨と速度が重なると差は一気に開きます。
| 使い方 | 判断 | 根拠(JAFの試験など) |
|---|---|---|
| 晴れの日の街乗り・低速中心 | 履きつぶしは現実的 | 乾いた路面60km/hで差は1.8m、100km/hでも3.6m |
| 雨の日に速度を出す | 夏タイヤへ | 濡れた路面100km/hで新品夏タイヤより約25m長い |
| 雨の日のカーブ・交差点 | 夏タイヤへ | 旋回しながらのブレーキで、進路のはみ出しが3倍以上 |
| 夏の高速・長距離・多人数乗車 | 夏タイヤへ | 高速道路の出動理由1位はタイヤトラブル(44.02%)で、タイヤへの負担が大きい |
近所の買い物や送り迎えのように、晴れた日に低速で走る使い方が中心なら、履きつぶしは現実的です。専門メディアの解説でも、成り立つのは「近所の買い物など低速の街乗りに限定」した場合とされています。
一方で、雨の日も車を使う人や、高速道路をよく走る人はどうでしょうか。雨の日や高速を走る機会が多いなら、夏タイヤに戻すのが安心かなと思います。夏の終わりまで履きつぶすつもりでも、遠出の予定が入ったら、その前に替えるのが無難です。
履きつぶす期間中に雨の中を走るときは、スピードを控えめにして、いつもより早めにブレーキを踏んでください。JAFも、濡れた路面では制動距離が延びるので早めのブレーキを、と呼びかけています。
思い込みに注意
「溝が半分あれば夏タイヤとして十分」は誤解です。濡れた路面では、2分山の夏タイヤより止まれないデータがあります。「車検に通るなら安全」も同じで、車検は溝や損傷を見るだけで、雨の日の止まりやすさまでは確かめません。
とはいえ、自分のタイヤが大丈夫か迷うのは当然ですよね。無理に自分だけで判断し切ろうとせず、危ないと感じたらタイヤ専門店や整備工場、ロードサービスに相談する前提で考えてください。ここでの数値は試験条件での目安で、車種やタイヤの銘柄によっても変わります。
春にサマータイヤへ戻す時期と費用
夏タイヤへ戻す目安は、最低気温が7℃を下回らなくなり、住んでいる地域の結氷の終日を過ぎたころです。費用は、ホイール付きの夏タイヤがあればお店で1台3,300円〜が一例。工具がそろっていれば、自分で替えることもできます。

交換はいつ?最低気温7℃以上と結氷終日が目安
気温でいうと、最低気温が続けて7℃以上になり、雪の予報もない状態が、夏タイヤへ戻す目安としてよく知られています。タイヤメーカーは、地域ごとの「結氷の終日」「雪の終日」の平年値を判断材料に挙げています。
結氷の終日は、その冬に最後に氷が張る日の平年値です。地域によって1か月以上の差があるので、住んでいる地域の値を確かめておきましょう。
| 地点 | 結氷の終日 | 雪の終日 |
|---|---|---|
| 福岡 | 2月27日 | 3月7日 |
| 東京 | 3月5日 | 3月9日 |
| 新潟 | 3月27日 | 4月6日 |
| 仙台 | 4月3日 | 4月9日 |
| 札幌 | 4月24日 | 4月21日 |
表の日付は気象庁の平年値(1991〜2020年)なので、年によって前後します。早く替えすぎると、春先の寒の戻りや山間部の雪に当たるおそれがあります。帰省やレジャーで山間部へ出かける予定がある人は、その予定が終わってから替えるのが実際的です。
逆に遅すぎると、先ほど見た摩耗と燃費の損が積み重なります。区切りとして考えやすいのは、GWの前です。長距離や高速を走る人が増える時期で、JAFの2025年度でもGWは総救援75,060件の繁忙期でした。
3月下旬〜4月は、お店も通販取付も予約が混みやすい時期です。お店の保管サービスに預けている場合は、返却に6日〜2週間前の連絡が必要なこともあります。早めに予約を入れておくと、希望の日に替えやすいですよ。
費用比較、初心者は店か通販取付・DIYは工具次第
履き替えの方法は、自分で・お店で・通販取付の3通りです。初めての人には、お店に任せるか、夏タイヤの新調を兼ねて通販取付を使う方法が安心。自分で替えると工賃はかかりませんが、道具と正しい締め付けの知識が欠かせません。
| 方法 | 費用の目安(税込) | 向いている人 |
|---|---|---|
| 自分で履き替える | 工賃はかからない(ジャッキ・ホイールレンチ・トルクレンチを用意) | ホイール付きの夏タイヤがあり、工具の扱いに慣れている人 |
| お店で履き替える | イエローハット 1台3,300円〜/タイヤ館生駒 4本6,600円(17インチ以下)/楽天Carタイヤ持ち込み交換 4本4,840円(12〜18インチ・脱着のみ) | 初めての人、道具や作業場所がない人 |
| 通販で夏タイヤを買って取付 | 取付工賃 1本2,090円〜(オートウェイ・15インチ以下)、1本2,640円〜(TIREHOOD・オートバックス以外の店・15インチ以下) | 夏タイヤも寿命で新調が必要な人 |
表の金額は、各社公式の下限表示や店舗掲示の一例です。車種やサイズ、店舗によって変わるので、正確な料金は各店舗や公式サイトで確認してください。履き替えは春と秋の年2回なので、年間ではこの2倍が目安。燃料代の差(年数千円)と同じくらいの水準です。
自分で替える場合は、ジャッキとホイールレンチ(車載工具)で脱着でき、締め付けの確認用にトルクレンチも用意しておくと確実です。ナットは車両指定のトルクで対角の順に締め、走行後に増し締めで緩みがないか確かめてください。締め付けは安全に直結する作業なので、自信がなければお店に任せましょう。
保管していた夏タイヤは、空気圧を半分ほどに落としていることが多いもの。装着の前後に、車両の指定値まで戻してから走り出してください。
外したスタッドレスは、水洗いで泥や融雪剤を落とし、完全に乾かしてから保管します。タイヤワックスなどの油分は拭き取り、直射日光・熱源・雨を避けた屋内に置くのが各社共通の条件です。ホイール付きなら横積みにし、空気圧は適正値の半分程度に落としておきます。
家に置き場所がないなら、お店のタイヤ保管サービスを使う手もありますよ。たとえばオートバックス東神奈川では月額1,100円〜(4本)で、多くは交換工賃が別にかかります。
夏タイヤ自体を買い替えるなら、通販で購入して取付店へ直送し、予約した日に取り付けてもらう流れが便利です。TIREHOODは工賃に廃タイヤ処分まで含まれ、オートウェイは取付工賃を取付店で支払う方式。サービスごとに、工賃に含まれる作業が少しずつ違います。
注文のときは、季節区分(サマー/スタッドレス)とサイズを必ず確かめてください。オートウェイでは、スタッドレスとサマータイヤの取り違えは返品できません。サイズは、運転席側のドア付近のラベルや、今のタイヤの側面で確認できます。
夏タイヤを選ぶときは、低燃費タイヤの等級(転がり抵抗とウェットグリップ)も比べてみると選びやすいですよ。雨の日の止まりやすさを重視するなら、ウェットグリップの等級に注目です。
TIREHOOD(タイヤフッド)
購入と同時に取付店と日時を予約できるタイヤ通販。工賃に脱着・組み換え・バランス・廃タイヤ処分まで含まれます
AUTOWAY(オートウェイ)
最寄りのタイヤピット加盟店へ直送できるタイヤ通販。取付工賃は取付店で支払う方式です
スタッドレスの夏の履きっぱなしでよくある質問
新品のスタッドレスでも、夏に履くと危ないですか?
ブリヂストンは、新品でも気温が高いとゴムがさらに柔らかくなり、制動距離が長くなる可能性があると説明しています。雨の日は排水が追いつかず、ハイドロプレーニングも起きやすくなるそうです(数値は公表されていません)。何より新品は冬に使える溝がたっぷり残っているので、夏に削るのはもったいないですよね。外して保管し、夏タイヤに戻すのがおすすめです。
夏のあいだ外して保管していても、スタッドレスは劣化しますか?
ゴムは使わなくても年月とともに少しずつ硬くなるので、劣化がゼロにはなりません。ただ、ブリヂストンは「適正に保管された新品タイヤは製造後3年間は同等の性能を保つことが確認されています」としています。これは未使用の新品についての説明ですが、直射日光・雨・熱源を避けて保管すれば、劣化の進みをゆるやかにできると考えられます。ホイール付きなら横積みにし、空気圧を適正値の半分程度に落とすのが各社共通の案内です。炎天下の路面を走り続けるより、保管の方がタイヤには優しい環境と言えます。
オールシーズンタイヤなら、一年中履きっぱなしでいいですか?
履き替えの手間はなくなりますが、スタッドレスの代わりになるとは限りません。JAFは、オールシーズンタイヤの凍結路のグリップはスタッドレスに大きく劣るとしていて、各メーカーも凍結路や過酷な積雪路ではスタッドレスを勧めています。晴れや雨の性能も、夏タイヤより劣る場合があります。氷上性能をうたう新しいタイプもあるので、雪や凍結の多い地域の人は製品ごとの公式情報で確認してください。
夏タイヤを持っていない場合は、どうすればいいですか?
スタッドレスがまだ冬に使えるなら、夏タイヤを用意して履き替える方が、長い目で見て損が少ないかなと思います。夏に削ってしまうのは、高価なスタッドレスの溝だからです。夏タイヤは、通販で買って取付店へ直送し、予約した日に取り付けてもらう方法が手軽。スタッドレスがすでに冬用の寿命なら、次の冬用を買う時期との兼ね合いで考えるとよいですよ。
スタッドレスで夏に走ると、音はうるさくなりますか?
カー用品店の公式コラムでは、夏にスタッドレスで走ると走行音(ロードノイズ)が大きくなると説明されています。どのくらい大きくなるかの数値は公表されておらず、車種やタイヤによって感じ方も変わります。音が気になり始めたら、摩耗や劣化が進んでいないかも含めて、一度お店でタイヤを見てもらうと安心です。
春にスタッドレスを外したあとは、来シーズンまで状態を保つ保管が必要です。
関連記事:春に外したスタッドレスの保管方法はこちら
まとめ:スタッドレスの夏の履きっぱなしは損、春に戻そう
夏の履きっぱなしは違法じゃないけど、雨の日と寿命で損をするんだね。
そうみたいですね。寿命を迎えたタイヤなら、条件つきで履きつぶす手もありますよ。
スタッドレスの夏の履きっぱなしは違法ではなく、溝1.6mm以上など保安基準を満たしていれば車検も通ります。ただ、雨の日の止まりにくさとタイヤ寿命の両面で損をするので、春には夏タイヤへ戻すのが基本です。最後に要点を振り返っておきましょう。

- 夏にスタッドレスで走っても違法ではなく、溝1.6mm以上なら車検も通る
- 濡れた路面100km/hでは、摩耗したスタッドレスの制動距離は新品夏タイヤより約25m長い
- 燃料代の差は年に数千円程度で、冬1シーズン分に近い溝を夏に削るのが一番の損
- 履きつぶすのは冬用の寿命を迎えたタイヤだけ。溝・製造年・ひび割れを確かめる
- 晴れの街乗り中心なら現実的、雨の日や高速を走るなら夏タイヤへ
- 戻す目安は最低気温7℃以上と結氷の終日、費用はお店で1台3,300円〜が一例
記事内の数値は、試験条件や公式の下限表示などに基づく一般的な目安です。正確な情報は、タイヤメーカーや各店舗の公式サイトでご確認ください。タイヤの状態に不安があるときは、最終的な判断を整備工場やタイヤ専門店にご相談ください。
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