こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。
走行距離が10万キロを超えた愛車。買い替えを考えて調べ始めると、「もう値段はつかない」という言葉ばかり目に入りますよね。手放すか、もう少し乗るか。迷ったまま時間だけが過ぎている方も多いかなと思います。
この記事では、公開されている査定実績のデータをたどって、10万キロを超えた車の相場がどう動くのかを整理しました。結論から言うと、10万キロは値落ちの段差であって終点ではありません。そして、その先は業者による評価の差がいちばん開く領域です。読み終えるころには、どこに出せばいいかの見当がついているはずですよ。
- 10万キロ超えの車に実際いくら付いているかの査定実績データ
- 10万・15万・20万キロで相場の下がり方がどう変わるか
- 同じ車でも業者によって査定額が開く「出口」の仕組み
- 車検・整備・書類のうち、売る前にやると得なのはどれか
10万キロ超えの車は今も売れます
結論から言うと、10万キロを超えた車は今も売れます。買取サービスが公開している査定実績では、10年落ち・走行10〜11万kmの査定額の中央値は75.3万円でした。値段がつかないどころか、まだ二桁万円の世界です。

統計の側から見ても、10万キロ超えは特別な状態ではありません。乗用車の平均使用年数は13.35年、軽乗用車は16.46年です。年に1万キロ走る人なら、平均的な車は13万〜16万キロあたりまで使われている計算になりますね。(出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会『わが国の自動車保有動向』(車種別平均使用年数推移表))(出典:軽自動車検査協会『軽自動車の平均車齢・平均使用年数』)
つまりあなたの車は、市場のなかでは珍しくもない1台。「10万キロ=価値ゼロ」は、実態よりだいぶ厳しい思い込みです。
10万キロ超えたら、もう引き取ってもらうだけって聞いたことあるけど…?
私も前はそう思っていました。でも査定実績の数字を見ると、けっこう普通に値段がついているみたいですよ。
へえ。じゃあ実際いくらくらいなのか、ちゃんと見てみようよ。
ただし、値段がつくことと、期待どおりの額になることは別の話です。10万キロの線をまたぐところで相場が一段落ちるのは、実データにもはっきり出ています。その段差を織り込んだうえで金額を見るのが出発点かなと思います。
10年落ち10万km台の中央値は75万円
元になっているのは、買取サービスのMOTAが自社の査定実績から公表している集計です。2016年式・普通車・修復歴なしという条件で、走行10〜11万kmの中央値が75.3万円。中央値なので、半分の車はこれ以上の金額が付いているという読み方になります。
もっと古い年式でも、金額はゼロになりません。15年落ちの2011年式・走行12〜15万kmで、中央値は17.8万円でした。桁は確かに落ちます。それでも「引き取り扱い」とは別の世界にいます。
一方で、この数字の前提も押さえておきたいところ。集計対象は査定日2025年7月から2026年6月までの普通車で、軽自動車は含まれていません。買取サービスの自社データであり、第三者機関の検証を受けたものでもない点は割り引いて読む必要があります。
中央値の読み方
平均値ではなく中央値なので、極端に高い1台や0円の1台に引っ張られにくい数字です。ただし、あなたの車がその真ん中に来るとは限りません。あくまで目安として受け取ってくださいね。
相場は10万キロの線で一段落ちる
値落ちの段差は、10万キロの線そのものにあります。9〜10万kmから10〜11万kmへ移る区間だけ、下落率が12.1%と突出していました。逆に言えば、越えたあとしばらくは急に落ちません。

「もう10万キロ超えたから、いつ売っても同じ」と考えるのは早いです。段差の手前にいるのか、越えた後の平らな区間にいるのか。立ち位置で判断が変わってきますよね。
1万km刻みで見た下落率の段差
同じ集計を1万km刻みに割ると、段差の位置がはっきり見えてきます。条件は2016年式・普通車・修復歴なしです。
| 走行距離 | 査定額の中央値 | 前の区分からの下落率 |
|---|---|---|
| 7〜8万km | 96.8万円 | — |
| 8〜9万km | 92万円 | 5.0% |
| 9〜10万km | 85.6万円 | 6.9% |
| 10〜11万km | 75.3万円 | 12.1% |
| 11〜12万km | 73万円 | 3.1% |
| 12〜13万km | 71.9万円 | 1.5% |
| 13〜14万km | 66.8万円 | 7.1% |
| 14〜15万km | 61.2万円 | 8.4% |
目を引くのは、10万kmをまたぐ1行だけ下落が二桁になっている点です。前後の刻みは1.5〜8.4%で、明らかに性格が違います。業界でよく言われる「10万キロは節目」が、実データで裏づけられた数少ない例かなと思います。
そして越えた直後は、むしろ静かです。11〜12万kmは3.1%、12〜13万kmは1.5%しか下がっていません。段差は線の上にあり、越えた先が急坂になっているわけではないということですね。
10万キロの手前なら「越える前に動く」意味がありますが、すでに越えているなら慌てる必要は小さいです。
15万キロ20万キロで何が変わるか
15万キロに近づくと、下落率がまた大きくなります。13〜14万kmで7.1%、14〜15万kmで8.4%。次の段差が効き始めているサインと読めます。
14〜15万kmの中央値は61.2万円で、10〜11万kmの75.3万円から約19%下がりました。ここまでは数字を追いかけられる範囲です。
問題はその先ですね。公表されている集計は走行15万kmまでで、それ以上の帯をまとめた統計は見つけられませんでした。20万キロを超えると、手がかりは業者が公開している買取事例になります。
| 車種 | 年式 | 走行距離 | 買取事例の金額 |
|---|---|---|---|
| 三菱 ランサーエボリューション | 平成17年式 | 29万km | 70万円 |
| BMW M3 | 平成6年式 | 25万km | 70万円 |
| トヨタ プリウスα | 平成23年式 | 29.3万km | 23万円 |
| 日産 エクストレイル | 平成23年式 | 23万km | 20万円 |
注意したいのは、これが業者の自社サイトに載る成約事例だという点です。平均値でも保証額でもありません。高く売れた例が選ばれて掲載されやすいので、そのまま自分の車に当てはめないでくださいね。
それでも、20万キロ超で値が付いた実例が公開されていること自体は確かです。この帯では、車としての商品価値より、輸出できるか・部品として需要があるかで金額が決まります。だから車種と業者の販路によるばらつきが、10万キロ台よりさらに大きくなるわけです。
値段を決めるのは距離より年式と車種
10万キロを超えた車の値段を決めているのは、走行距離だけではありません。距離の差以上に大きく効いているのが年式、そして車種です。同じ距離帯でも、年式が3年違うだけで中央値は4割変わります。
| 年式 | 走行10〜12万km | 走行12〜15万km | 距離が2〜3万km増えたときの下落 |
|---|---|---|---|
| 2019年(7年落ち) | 126.8万円 | 114万円 | 約10% |
| 2016年(10年落ち) | 74.9万円 | 67.5万円 | 約10% |
| 2014年(12年落ち) | 43万円 | 36.5万円 | 約15% |
| 2011年(15年落ち) | 20.4万円 | 17.8万円 | 約13% |
距離を2〜3万km足したときの下落は10〜15%程度。ところが同じ10〜12万kmの帯で2019年式と2016年式を比べると、126.8万円から74.9万円まで落ちます。この集計のなかでは、距離の差より年式の差のほうがずっと大きく出ているということですね。ただし年式別の数字は別々の車をまとめた集計で、同じ1台を3年持ち続けたときの値下がりを測ったものではありません。
それでも読み取れるのは、迷っている時間にコストがかかりやすいということ。売るかどうか半年から1年迷えば、年式は1つ進みます。待っている間に走行距離も伸びて、次の節目に近づくという二重の目減りです。
もちろん、急いで売れという話ではありません。ただ「相場が上がるまで待つ」という発想は、走行距離の多い車では成立しにくいかなと思います。
売れる車種はSUVと商用バン
同じ年式・同じ距離でも、車種によって金額の桁が変わります。2016年式・走行10〜15万kmのリセール率上位に並ぶのは、SUVと商用バン、そしてミニバンでした。
| 順位 | 車種 | リセール率 | 査定額 |
|---|---|---|---|
| 1 | トヨタ ランドクルーザープラド | 59.60% | 254.3万円 |
| 2 | トヨタ ハイエースバン | 53.50% | 170.2万円 |
| 3 | トヨタ FJクルーザー | 48.65% | 166万円 |
| 4 | トヨタ レジアスエース | 47.90% | 134.4万円 |
| 5 | ホンダ ステップワゴン | 45.95% | 133.4万円 |
| 6 | トヨタ アルファード | 39.10% | 169万円 |
| 7 | トヨタ C-HR | 39.10% | 113.9万円 |
| 8 | トヨタ ハリアー | 38.60% | 128.5万円 |
全体の中央値が74.9万円(2016年式・走行10〜12万km)なのに対し、ランドクルーザープラドは254.3万円、ハイエースバンは170.2万円(こちらは走行10〜15万kmの集計)。距離帯の取り方は少し違いますが、それでも3倍以上の開きです。
私はタウンエースとハイエースに乗っていた時期があります。荷物が積めて長く働ける車が支持され続けるのは、乗っていた感覚としても納得できるところ。海外の実需と国内の実用需要が、ちょうど重なるカテゴリーなんですよね。
逆に、国内の中古車販売に需要を頼る小型乗用車やハイブリッド専用車は、距離が増えると評価の落ち方が大きくなりやすい傾向です。ただしこれは傾向にすぎません。実額は年式・グレード・時期で動くので、「この車種なら高い」と固定して読まないでくださいね。
査定額が業者で開くのは出口の差
同じ車なのに業者で金額が違うのは、担当者の腕や気前の問題ではありません。その車をどこへ売るつもりか、つまり「出口」が業者ごとに違うからです。走行距離が増えるほど、この出口は入れ替わっていきます。

出口って、お店が仕入れたあとの話だよね? 売る側には関係なさそうだけど…
それが大ありなんですよ。出口が違うと、値段のもとにする相場そのものが変わるみたいです。
なるほどね。じゃあどんな出口があるのか、順番に見ていこうよ。
やっかいなのは、出口が業者の看板からは見えないこと。同じ「車買取店」でも、自社の店頭で売る店、業者オークションへ流す店、輸出業者と直取引している店が混ざっています。だから複数社に当てる以外に、比べる方法がないわけですね。
国内小売と輸出と部品の3つの出口
出口はおおまかに3つ。国内小売、輸出、そして解体・部品です。この手前に業者オークション(卸売)という中継地点が入りますが、買い手の前提が国内小売なので、効き方は国内小売と同じ側に寄ります。走行距離の影響の受け方は、それぞれまったく違います。
| 出口 | 値付けの根拠 | 走行距離が多い車での効き方 |
|---|---|---|
| 国内小売(自社の店頭で販売) | 小売価格からの逆算 | 中古車探しが「10万km以下」で絞られ、買い手の母数が減る |
| 業者オークション(卸売) | 直近の落札相場からの逆算 | 買い手も国内小売が前提のため、売れ残るリスクが距離とともに上がる |
| 輸出 | 仕向け国の需要と年式規制 | 走行距離の上限規定は主要国で確認できず、距離が輸入の可否を左右しない |
| 解体・部品 | 部品と金属資源の価値 | 車としての商品価値がゼロでも値が付きうる |
国内小売がいちばん距離に弱いのは、買い手が中古車を探すときに「10万km以下」で絞り込むからです。母数が減れば、店頭で売れるまでの時間が読めなくなります。卸に回す業者オークションも、買い手の前提は同じ。国内小売の弱さがそのまま伝わります。
一方で輸出は事情が違います。輸入する国の規制は年式・ハンドル・検査で切られていて、走行距離の上限は主要国では確認できません。国内で減点になる距離が、この出口では輸入の可否を左右しないんですね。ただし規制で切られないことと、現地の買い手が距離を値段に反映しないことは別の話。効き方は国や車種で変わります。
規模も小さくありません。2025年の中古乗用車の輸出は149万0242台・1兆6079億3093万円でした(財務省の貿易統計にもとづく集計)。台数と金額を割ると、1台あたりの性格が地域ごとに分かれてきます。
| 地域 | 台数 | 金額 | 1台あたり(算出値) |
|---|---|---|---|
| 全体 | 149万0242台 | 1兆6079億3093万円 | 約107.9万円 |
| アジア | 31万0006台 | 6478億4291万円 | 約209万円 |
| 中東欧・ロシア | 20万2724台 | 2274億3111万円 | 約112.2万円 |
| アフリカ | 37万8385台 | 2603億2902万円 | 約68.8万円 |
| 中東 | 22万4042台 | 1116億2228万円 | 約49.8万円 |
1台あたりの平均は、地域によって約49.8万円から約209万円まで開きます。台数の多いアフリカと中東が安い側に寄っているのは、価格の安い車の受け皿として機能しているからと読めます。
なお、この1台あたりは台数と金額を割った算出値で、公表されている数字ではありません。車種構成の違いも含む平均なので、個別の車の輸出額でもない点はご注意を。
そして最後の出口が解体・部品です。車として商品にならなくても、部品や金属資源に需要があれば値は付きます。「値段がつきません」と言われた車にも、まだ別の道が残っているということですね。
下取り0円でも買取なら値が付く
下取りと買取のどちらに出すべきか。10万キロを超えた車なら、まず販路の違う買取業者に当てて、下取りは比較用の1枚として使うのがおすすめです。
ディーラーの下取りは、自社系列の中古車販売網で再販できるかが基準になります。本業は新車を売ることなので、他メーカー車・低年式・過走行車の評価は保守的になりやすいんですね。「0円」と言われるのは、この基準の外に出てしまった状態です。
同じ車を、輸出や解体の出口を持つ業者は別の見方で見ます。「国内で売れない車」ではなく「輸出できる車」「部品が取れる車」。下取り0円と買取で値が付くことが同時に起きるのは、矛盾ではなく基準の違いです。
0円=手取りゼロではない
査定価格が0円でも、自動車税の未経過相当額とリサイクル預託金相当額は、査定額とは別に精算されるのが商慣行です。金額の内訳がどうなっているかは、契約前に必ず確認してくださいね。
とはいえ下取りにも良さはあります。新車の購入と同時に手続きが済み、引き渡しのタイミングも合わせやすい。手間と金額のどちらを取るかは、あなたの状況次第かなと思います。
車検を通してから売ると損します
売る前に車検を通すのは、基本的におすすめしません。車検残でつく加点は、車検にかかる費用を上回らないのが実情です。車検残がある状態で査定を取り、通すか売るかを決めるほうが選択肢は広くなります。

車検残の加点は、残り4か月から始まります。通した直後でも点数は限られており、しかも加点の実額は車格に応じて小さく出ます。車両価格が低い車ほど、車検代を取り返しにくい構図ですね。
10万キロを超えた車の車検は、法定費用だけで終わらないことも多いです。交換部品が積み上がると、費用は10万〜30万円まで膨らむことがあります(車種と状態で大きく変わる目安です)。初度登録から13年を超えると重量税も重くなるので、次の車検が売却判断の分かれ目になりやすいですよね。(出典:財務省『自動車重量税の概要』)
整備しても加点項目は存在しない
査定の基準には、「整備してある」ことへの加点項目がありません。公開されている加点は、車検残・自賠責残・カーナビ・アルミホイール・書類関係です。消耗品を交換しても、その分だけ査定が上がる仕組みにはなっていないんですね。
整備歴が効くとすれば、「壊れていない・すぐ商品にできる」という判断材料としての間接的な効き方です。売る前に高額な整備をして取り返すという作戦は、基準の構造上そもそも成立しにくいわけです。
もうひとつ知っておきたいのが、距離の減額のされ方。走行距離は固定の点数ではなく、基本価格に対する率で効きます。車両価格が低い車では、距離が多いことによる減額の「額」も小さくなる計算です。
だから10万キロを超えた車では、距離をこれ以上気にするより、減点の絶対額が大きい項目に目を向けたほうが得。具体的には修復歴、臭い、そして書類の欠品です。臭い・ペットの毛・ヤニは別格の減点対象なので、清掃で消せる範囲は消しておきましょう。
タイミングベルト交換は型式次第
「10万キロならタイミングベルト交換」は、いまの多くの車には当てはまりません。トヨタの公式情報では、ベルトは10万km毎の交換、チェーンは無交換が指定です。そしてトヨタ車では、2000年代以降に設計された主力エンジンはほぼタイミングチェーンで、無交換の扱いになっています。(出典:トヨタ自動車 公式FAQ「エンジンのタイミングベルト、タイミングチェーンの交換時期を教えて。」)
自分の車がどちらかは、エンジン型式から判別できます。型式は車検証に記載があるので、まずそこを見てください。チェーン車だと分かれば、「10万キロ=高額整備」という前提そのものが崩れますよ。
ベルト車だった場合の交換費用は、軽自動車で3万円前後、普通自動車で6万円前後が目安です。輸入車や高級車では10万円を超えることもあります。ウォーターポンプの同時交換をすすめられることが多く、その分の工賃も乗ってきます。
ただし、交換したこと自体が加点になるわけではありません。整備記録簿に交換記録が残っていることが、買い手の判断材料になるという効き方です。見積もりと査定額を並べて、どちらが大きいかで決めるのが現実的かなと思います。指定内容は車種ごとに違うので、メーカーの公式サイトでご確認ください。
費用ゼロで効くのは書類3点セット
お金をかけずに査定を守る方法はあります。いちばん効率がいいのは、保証書・整備手帳・取扱説明書の3点をそろえること。3点そろえば加点、欠品なら減点で、しかも欠品側の減点のほうが重く効きます。
走行距離の多い車では、この書類の意味がさらに大きくなります。整備手帳が残っていれば、「距離は多いけれど手は入っている」という説明ができるからです。距離の数字だけで判断されるより、ずっと有利ですよね。
整備記録簿や車検の記録も同じ役割を果たします。走行距離の推定根拠になり、距離が特定できない場合の減点を避けられます。取り外して保管している純正部品や純正ホイールがあれば、戻しておくのも忘れずに。
- 保証書・整備手帳・取扱説明書の3点を探して集める
- 整備記録簿・車検の記録を時系列でまとめておく
- 臭い・ペットの毛・ヤニなど、清掃で消せる範囲は消す
- 取り外していた純正部品・純正ホイールを戻す
- メーター交換をしているなら、交換時の距離と証明書類を用意する
過走行車は販路の違う3社に当てる
最後は、どう当てるかの話です。走行距離の多い車で効くのは「大手を3社」ではありません。性格の違う3社を、1社ずつ当てること。ディーラー下取り、国内小売中心の買取店、輸出や廃車買取に強い業者、という組み合わせですね。

普通の車で複数社に当てる目的は、同じ相場を見ている業者どうしを競わせることです。走行距離の多い車では目的が変わります。そもそも見ている出口が違う業者を、横に並べることが狙いになります。
| 当てる先 | その1社から分かること |
|---|---|
| ディーラー下取り | 新車購入とセットにしたときの下限と、手間の少なさ |
| 国内小売中心の買取店 | 国内でまだ商品として売れる状態かどうか |
| 輸出・廃車買取に強い業者 | 海外需要や部品需要で上振れする余地があるか |
3社の金額が並ぶと、自分の車がどの出口で評価されているかの手がかりが得られます。輸出に強い業者だけ飛び抜けているなら、海外の需要が効いている可能性が高い1台。全社が横並びなら、出口による差が出にくい状態だと読めます。金額の差は利益幅や在庫状況でも動くので、当たりをつける材料として見てくださいね。
1回の査定データを多くの業者へ同時に見せるタイプのサービスも、この帯とは相性のいい設計です。販路の違う業者が同じ車を評価する形になりますからね。ただし成約手数料やキャンセル条件はサービスごとに違うので、申し込む前に条件を読んでおきましょう。
自分で相場を調べる方法は、この帯では効きにくいです。同じ車種・年式・距離帯の在庫がそもそも少なく、比較の材料が足りません。業者が公開する買取実績も、条件のいい例が選ばれて載りやすい点は差し引いて見てください。
契約後の減額に注意
走行距離の多い車は、引き渡し後の不具合を理由にした再査定・減額の話が出やすい類型です。契約書に減額の対象と上限が書かれているかを確認してください。走行距離・修復歴・機関の不調は、査定の前に自分から伝えておくと後の交渉を避けやすくなります。事前に申告した内容を理由にした減額や解約に、応じる必要はありません。
車検が切れていたり、動かなかったりしても売却自体は可能です。ただし車検切れの車はそのまま公道を走れず、動かない車は積載車での搬送になります。引き取りの方法と費用負担を先に決めておきましょう。無料引き取りをうたう業者と実費を請求する業者が混在しています。
ここまでの話は、あくまで一般的な目安です。金額も制度も、時期によって動きます。契約や税金の扱いで迷ったら、公式サイトで最新の情報を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。
10万キロ超えの車が売れるかのよくある質問
軽自動車の10万キロ超えも、同じように売れますか?
売れます。ただしこの記事で使った査定実績の集計は普通車が対象で、軽自動車は含まれていません。軽乗用車の平均使用年数は16.46年と長く、10万キロ超えでも市場では普通に扱われています。金額の水準は普通車と違うので、実額はご自身の車で査定を取って確かめてくださいね。
車検が切れている車や、動かない車でも買い取ってもらえますか?
買取自体は可能です。ただし車検が切れた車はそのままでは公道を走れません。自走できる状態なら、運行の目的・経路・期間を定めて臨時運行許可(仮ナンバー)を受け、期間中に有効な自賠責保険をかけたうえで運ぶ形になります。エンジンがかからないなど自走できない車は、積載車やレッカーでの引き取りです。引き取り費用を無料にする業者と実費を請求する業者があるので、金額の提示と一緒に引き取り方法と費用負担を確認しておきましょう。
輸出に強い業者かどうかは、どうやって見分ければいいですか?
看板や店名からは分かりません。一括査定型のサービスなら、加盟業者に輸出業者や廃車買取業者が含まれているかが手がかりになります。査定の場で「この車はどこで売る予定ですか」と聞いてみるのも有効です。答え方から、その業者がどの出口を見ているかがある程度つかめますよ。
乗り続けるのと売るのは、どちらが得ですか?
次の車検の法定費用と整備費用、13年を超えているなら重くなる重量税を足して、いまの査定額と並べて比べてみてください。整備費用が査定額を上回るようなら、売却に傾く判断材料になります。なお廃車にするとリサイクル預託金は処理費用に充てられて戻りませんが、売却なら査定額とは別に相当額が精算されます。
走行距離が多いことは、査定の前に伝えたほうがいいですか?
伝えたほうがいいです。査定は積算計の表示値で行うのが原則で、車検証や点検記録簿にも過去の距離が残ります。隠せる前提の情報ではありません。メーター交換をしている場合は、交換時の距離と証明書類を用意しておくと話が早く進みますよ。
10万キロ超えの車を売る判断の要点まとめ
10万キロ超えって、思ってたより終わりじゃなかったんだね。
そうなんですよね。段差はあるけれど、その先は業者の見方しだいという感じでした。
10万キロは値落ちの段差であって、終点ではありません。むしろその先は、どの業者に当てるかで金額がいちばん開く領域です。慌てず、性格の違う相手を並べてみてくださいね。

- 10年落ち・走行10〜11万kmの査定額の中央値は75.3万円で、値段はきちんと付く
- 下落率が突出するのは10万kmをまたぐ区間だけ。越えた直後の下がり方は緩やか
- 10万キロ超えで効くのは距離より年式。迷っている時間も目減りにつながる
- SUV・商用バン・ミニバンは、距離が伸びても評価が落ちにくい傾向
- 業者で金額が開くのは、国内小売・輸出・部品という出口の違いによるもの
- 車検を通してから売っても費用は回収しにくい。効くのは書類3点セット
- ディーラー下取り・国内小売の買取店・輸出や廃車に強い業者を1社ずつ当てる
数字はいずれも公開データにもとづく目安で、あなたの車の金額を保証するものではありません。契約や税金の扱いで判断に迷ったときは、公式サイトの案内を確認し、必要に応じて専門家にご相談ください。
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