こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。
冬の朝、エンジンをかけてから少し待つべきか迷いますよね。「今の車に暖機運転はいらない」と聞く一方で、「しないとエンジンが傷む」という話も耳にします。寒い朝ほど、どちらを信じればいいのか不安になるかなと思います。
結論から言うと、今の乗用車に停車したままの暖機運転は原則いりません。トヨタ・SUBARUの公式FAQや環境省も、はっきりそう示しています。ただし「温めなくていい」ではなく、「最初はおだやかに走って温める」がセットです。
タウンエースからCX-5まで乗り継いできた私も、今回あらためてメーカーの公式情報や取扱説明書の記載を調べ直しました。例外になるケースや正しいやり方、霜取り・暖房待ちとの違い、燃料代や条例の目安まで整理しています。ご自分の車と地域に当てはめて判断する材料にしてみてください。
- 今の車に冬の暖機運転が原則いらない理由と、メーカー・環境省の見解
- 停車暖機の代わりにやる「走りながら温める」やり方と時間の目安
- −20℃級の極寒地・長期放置・ハイブリッドやターボなど例外の判断
- 霜取り・暖房待ちとの違いと、燃料代・アイドリング条例の目安
冬の暖機運転は必要?今の車は原則いらない
冬でも、今の乗用車に停車したままの暖機運転は原則いりません。エンジンをかけたら、シートベルトを締める程度の間をおいて出発して大丈夫です。代わりに、走り始めの数分はアクセルをおだやかに踏む「走りながら温める」が正解。

ここで「いらない」とされているのは、止まったままエンジンをかけて温める暖機のことです。SUBARUや環境省は、走りながら温める「ウォームアップ走行」をセットで勧めていて、トヨタも例外のときは「ゆっくり発進」を添えています。温めなくていいのではなく、止まって温める必要がない、と覚えておくと迷いません。
一方で、霜や曇りが取れるまで待つ時間は、エンジンの暖機とは別の話です。ここを混ぜてしまうと「結局待つの?待たないの?」と迷いやすいので、後半の章で分けて整理しますね。
トヨタ・SUBARU・環境省も通常は不要と明言
公式情報をたどると、メーカーも国も同じ方向を向いています。発信元ごとの言い方と、例外として挙げている条件を表にまとめました。
| 発信元 | 通常時の見解 | 例外として挙げる条件 |
|---|---|---|
| トヨタ(ガソリン車) | 通常、暖機運転は必要ありません | 極端な低温時・しばらく使わなかったときは数十秒の暖機 |
| トヨタ(ハイブリッド車) | 暖機運転は必要ありません | 記載なし(エンジンの始動・停止をシステムが自動で制御) |
| SUBARU | 現在販売の乗用車では基本的に必要ありません | 極寒冷地などの特別な状況 |
| 環境省 | 現在の乗用車では基本的に不要 | −20℃程度の極寒冷地など特別な状況 |
| 環境再生保全機構 | 現在販売のガソリン車では必要ありません | 寒冷地などの特別な環境 |
注目したいのは、例外のときでもトヨタが求めているのが「数十秒」の暖機だという点です。トヨタは暖機の目的を、冷えたオイルを暖めてエンジン各部に行き渡らせることとしています。必要なのはオイルが回るまでの短い待ち時間で、何分も続けるアイドリングではありません。(出典:トヨタ『よくあるご質問:暖機運転は必要ですか』)
例外の温度を数字で示しているのは、確認できた範囲では環境省の「−20℃程度」だけでした。メーカーのFAQは具体的な温度を出していません。ご自分の車の扱いは、取扱説明書の「寒冷時の運転」などの項目で確かめておくと安心です。(出典:環境省『エコドライブ10のすすめ』)
最近の車でいらない理由は電子制御と低粘度オイル
昔の車に暖機が欠かせなかったのは、燃料の送り方とオイルの性質が今とまったく違ったからです。昔と今を並べると、理由が見えてきます。
| 比べる点 | 昔(キャブレター車の時代) | 今の車 |
|---|---|---|
| 燃料の送り方 | キャブレターとチョーク。冷えると燃料が気化しにくく、温まるまで回転が不安定 | 電子制御の燃料噴射。コンピューターが水温や吸気温を見て、燃料の量や点火時期を自動で補正 |
| エンジンオイル | 粘度の高いオイルが中心で、冷えると流れにくい | 0W-16・0W-20などの低粘度オイルの指定が主流 |
| 部品の精度 | すき間が大きく、温まるまでなじみにくい | 加工精度が上がり、始動直後からオイルが行き渡りやすい |
今の車は、エンジンが冷えているとコンピューターがアイドル回転を自動で上げます。人が止まって温めなくても、車自身が冷えた状態に合わせて燃料や回転を調整してくれるわけです。
オイルの「0W-20」などの表記のうち、「W」はWinterの頭文字で低温での性能を表します。Wの前の数字が小さいほど、冷えた朝でも流れやすいオイル。0Wは低温での流れやすさが最も高い区分で、プリウスには0W-16、アクアには0W-8が指定されています。
指定される粘度は車種ごとに違います。オイル交換のときは、取扱説明書の指定と、公式に認められた代わりの粘度の範囲で選ぶのが前提です。
暖機運転しないとどうなる?傷む原因は急加速
今の車なら、停車暖機をしないこと自体でエンジンが傷むという根拠は、公式情報には示されていません。傷みにつながりうるのは、冷えたまま空ぶかしや急加速で高回転まで回すことのほう。避けたいのは暖機の省略ではなく、冷えたエンジンへの無理な負荷です。

でも「暖機しないとエンジンの寿命が縮む」って聞いたことがあるよ?
そこが心配になりますよね。気をつけたいのは暖機するかどうかより、冷えているときの走り方みたいですよ。
走り方かぁ。冷えているとどうしてダメなのか、確かめてみようよ。
冷えているうちは無理をさせたくない理由は、主に次の3つです。
- エンジンの金属部品は、温まって膨らんだ状態でちょうどいいすき間になるよう設計されている
- 冷えたオイルは粘りが強く、各部に行き渡るまで少し時間がかかる
- 排ガスをきれいにする触媒は、温まるまで浄化の働きが十分に出ない
どれも「かけてすぐは無理をさせない」で対策できます。止まったまま待たなくても、ゆっくり走り出せばエンジンは同じように温まっていきます。
反対に、長いアイドリングにもデメリットがあります。まず、燃料と排ガスのムダ。さらに、燃えきらない燃料がオイルに混ざる「燃料希釈」で、オイルが傷みやすくなるという解説もあります。暖機代わりの空ぶかしは、ターボ車の取扱説明書ではっきり禁止されている操作です。
気にしたいのはチョイ乗り
冬に本当に気をつけたいのは、暖機よりもエンジンが温まりきらない短距離走行の繰り返しです。メーカーは1回8km以下の短距離走行が多い使い方を「シビアコンディション」と呼び、オイル交換を早めるよう案内しています。
一般的なガソリン車の例では、エンジンオイルの交換目安が「15,000km・1年」から「7,500km・半年」に縮まります。近所の買い物や送迎が中心の人は、取扱説明書やメンテナンスノートの目安を一度見直してみてください。
暖機運転は冬に何分?走りながら温めるやり方
冬でも停車暖機の時間は基本0分、極端に寒い朝や久しぶりに乗る日でも数十秒で足ります。そのあとはしばらく急発進や高回転を避け、走りながら温めるのが正しいやり方です。

調べた範囲では、数分から10分以上の停車暖機を勧める公式情報は見つかりませんでした。自動車メディアの目安も30秒〜1分程度です。「冬は長めに温める」という昔の習慣は、今の車では役目を終えたと考えてよさそうですね。
シートベルトを締める数十秒で出発して大丈夫
手順はシンプルです。止まって待つ時間をわざわざ作らず、発進の準備をしている間を暖機代わりにします。
- エンジンをかける(ハイブリッド車は READY 表示を確認)
- シートベルト・ミラー・ナビを設定する(この数十秒がそのまま暖機になる)
- 発進後しばらくは、急発進・急加速・高回転を避けて走る
- 水温計が中央付近まで上がるか、低水温表示灯が消えたら通常どおり運転する
回転を抑える目安として、自動車メディアでは2,000回転程度まで、時間は発進後5〜10分ほどが挙げられています。タコメーターのある車なら、針の位置を少し意識するだけで十分。ふんわりアクセルを心がければ、自然とこの範囲に収まるかなと思います。
極端に冷え込んだ朝や、しばらく乗っていなかった日は、トヨタのFAQどおり数十秒待ってからゆっくり発進します。数十秒は、シートベルトを締めてミラーを合わせ、ナビを設定するくらいの時間。特別な「暖機タイム」を取らなくても、ふだんの準備で自然に満たせる長さです。
エンジンが暖まるまでの時間と水温計の見方
エンジンが温まるまでの時間は、止まってアイドリングするより走ったほうが短くなります。走るとエンジンにかかる負荷が上がり、そのぶん発熱も増えるからです。
しかも走行なら、変速機や足回りのオイル・グリスまでいっしょに温まります。停車暖機で温まるのは、ほぼエンジンだけ。車全体を目覚めさせる意味でも、走りながら温めるのが理にかなっています。
温まったかどうかは、水温計か低水温表示灯で確かめます。見るポイントは次のとおりです。
| 表示 | 冷えているとき | 温まったら |
|---|---|---|
| 水温計(針のタイプ) | 針が低い位置にある | 針が中央付近まで上がる |
| 低水温表示灯(青いランプ) | 点灯している | 消える |
水温計のない車は、青いランプが消えたタイミングが目安です。表示の種類は車種で違うので、取扱説明書でご自分の車のメーターを確認しておいてください。
近所へのちょっとした移動だと、ランプが消える前に着いてしまうこともありますよね。そうした短い移動が続く人ほど、前の章で触れたオイル交換の時期を気にかけておくと安心です。
暖機が必要な例外は?気温・車の状態・車種別
公式に例外とされるのは、極端な低温(環境省の目安は−20℃程度の極寒地)と、しばらく乗っていなかった車の2つです。トヨタのFAQでは、その場合も待つのは数十秒で、長いアイドリングではありません。古い車やターボ車、MT車は、取扱説明書の指示と走り始めの運転で対応します。

うちのあたりも冬はかなり冷えるんだ。寒い地域だと、やっぱり暖機は必要?
気になりますよね。気温と車の状態、車種に分けて見ていくと判断しやすいみたいですよ。
マイナス10度なら必要?極寒地の目安は−20℃
例外の温度を公的に示しているのは、環境省の「−20℃程度の極寒冷地」です。「マイナス10度になったら暖機が必要」という話は自動車メディアが挙げる目安で、メーカーや国の資料には出てきません。
とはいえ、そこまで冷え込む朝が不安な気持ちも分かります。その場合は、トヨタのFAQにある「極端な低温時は数十秒」に合わせて、少し待ってから出れば十分かなと思います。数分以上の停車暖機まで広げる根拠は、公式情報からは読み取れませんでした。
| 地点 | 1月の日最低気温(平年値) |
|---|---|
| 東京 | 1.2℃ |
| 札幌 | −6.4℃ |
| 環境省が例外とする目安 | −20℃程度 |
気象庁の平年値で見ると、1月の最低気温は札幌でも−6.4℃ほどです。−20℃級の朝が日常的にやってくるのは、北海道の内陸部などに限られます。首都圏や関西の平地の冬の朝なら、公式見解でいう「通常は不要」の範囲と考えてよさそうです。
極寒地で気にしたいのは、暖機の時間より液類の凍結かもしれません。冷却水は濃度30%で約−15℃、50%で約−35℃が凍結の目安です。トヨタは北海道地区で寒冷地仕様を全車標準にしていて、冷却水の濃度は50%。ウォッシャー液の濃さや、ディーゼル車の軽油の種類も含めて、冬の前に確かめておくと安心です。
長く乗っていない車は数十秒、古い車は取説どおり
しばらく乗っていなかった車は、トヨタのFAQが数十秒の暖機を勧めているケースです。オイルがエンジン各部に行き渡るのを少し待ってから、いつも以上にゆっくり発進します。
冬の長期放置では、バッテリー上がりも重なりやすくなります。車は止めている間も、少しずつ電気を使っています。バッテリーメーカーも、2週間以上乗らないと上がる恐れがあると案内しているほどです。冷え込んだ朝はバッテリーの力も落ちるため、エンジンのかかりが悪くなることもあります。
年式の古い車は、今の車向けの公式見解の対象外です。自動車メディアでは、1990年代以前のキャブレター車が例外としてよく挙げられています。当時の取扱説明書に暖機の指示があれば、そちらに従ってください。取説が手元にない場合は、整備工場に相談するのが安心かなと思います。
ハイブリッド・ターボ・MT車は?車種別の早見表
車種ごとの扱いを早見表にまとめました。どのタイプも止まったまま長く温める必要はなく、違いは走り始めと止める前の注意点です。
| 車種 | 停車暖機 | 気をつけること |
|---|---|---|
| ガソリン車(一般的な乗用車) | 通常は不要 | 発進後しばらくは急加速・高回転を避ける |
| ハイブリッド車 | 不要(トヨタFAQ) | READY表示後すぐ走れる。停車中にエンジンが回るのは仕様 |
| ターボ車 | 走り出す前の長い暖機は不要 | 始動直後の空ぶかし・急加速はしない。高速・登坂のあとの冷却は取説の指定どおり |
| MT車 | 通常は不要 | 冷えているとシフトが渋め。走り始めは丁寧に操作する |
| ディーゼル車 | 暖機をやめる方向はガソリン車と同じ | 寒冷地では軽油の種類(凍結)に注意 |
| 電気自動車(EV) | エンジンがないので暖機の考え方がない | 暖房・霜取りのための事前の空調は別の話 |
| 古い車(キャブレター車など) | 当時の取扱説明書に従う | 取説がなければ整備工場に相談 |
ハイブリッド車で冬によく聞くのが、「止まっているのにエンジンが回り続ける」という疑問です。トヨタの取扱説明書は、エンジンが自動で止まらない条件を挙げています。エンジンの暖機中、暖房を使っているとき、駆動用電池が冷えているときなどです。
つまり、故障ではなく仕様どおりの動き。車が自分で温めているので、運転する側が別に暖機をする必要はありません。そのぶん冬はハイブリッド車の燃費が落ちやすい点も、知っておくと慌てずにすみます。
ターボ車の取扱説明書が禁じているのは、始動直後の空ぶかしや急加速です。走り出す前の長いアイドリングを求める記述ではありません。「高速や登坂のあとはターボが冷えるのを待ってから止める」という指示は、止める前の話で暖機とは別物です。
止める前の冷却(アフターアイドル)も、最近のターボ車では事情が変わってきています。市街地を走ったあとは不要とする取扱説明書が増えている、という解説もあります。要否や時間は車種で違うので、お手持ちの取説で確認してください。
MT車は冷えていると変速機のオイルが硬く、シフト操作が渋く感じることがあります。停車暖機では変速機はほとんど温まらないため、走り始めのシフトを丁寧にするのが近道です。
暖房・霜取りのためのアイドリングはしていい?
暖房のためだけのアイドリングはいりませんが、霜や曇りで前が見えないなら、見えるようになるまでは待つ必要があります。待つ理由はエンジンではなく、あなたの安全のため。そのうえで、道具と段取りしだいで待ち時間はぐっと短くできます。
エンジンは温めなくていいのに、霜取りでは待つの?なんだか混乱しちゃうな。
そこがいちばん紛らわしいところですよね。待つ目的をエンジンと視界に分けると、すっきりするみたいですよ。
冬の朝の「待ち時間」は、目的で3つに分けられます。分単位の停車アイドリングが必要になりうるのは、このうち視界を確保するときだけです。
| 待つ理由 | 誰のため | 時間の目安 | 停車アイドリング |
|---|---|---|---|
| エンジンの暖機 | エンジン・オイル | 通常はすぐ出発。極端な低温・長期未使用で数十秒 | 原則不要 |
| 霜・氷・曇りの除去 | 運転する人の安全 | デフロスターだけで約10分、解氷スプレーなら約1分(JAFのテスト) | 必要な場合がある(道具で短縮できる) |
| 車内の暖房 | 快適さ | 止まるより走ったほうが早く暖まる | 不要 |
車内の暖房待ちは不要、走るほうが早く暖まる
エンジン車のヒーターは、エンジンの熱を使って暖かい風を出しています。エンジンは走ったほうが早く温まるので、車内が暖まるのも走ったほうが早いという関係です。
寒さを我慢して止まって待つより、シートヒーターや上着で最初の数分をしのぐほうが現実的かなと思います。止まって暖房を効かせても、燃料が減るばかりで変速機などはなかなか温まりません。
なお、暖房のためのアイドリングを特別に認める規定は、確認した自治体の条例には見当たりませんでした。条例の中身は、最後の章で詳しく整理します。
霜取りは視界確保まで待つ、時短の段取りと道具
フロントガラスの霜や氷、内側の曇りが残ったまま走り出すのは危険です。視界が悪いままの運転は、道路交通法の安全運転義務違反に問われるおそれがあります。警視庁の公表では、基礎点数2点、普通車の反則金は9,000円です。
とはいえ、デフロスターだけで溶かそうとすると時間がかかります。JAFのテスト(長野県菅平・最低気温−6.3℃)では、デフロスターで視界を確保するまで約10分かかりました。解氷スプレーを使うと、約1分で凍結が完全に溶けています。(出典:JAFユーザーテスト『寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!』)
待ち時間の差は、道具を使うかどうかでほぼ決まるわけです。JAFも、デフロスターだけの解氷は長いアイドリングになるとして、解氷剤やスクレーパーの併用を勧めています。前の晩と朝の段取りを、表にまとめました。
| タイミング | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 前の晩 | フロントガラスカバーをかける | JAFのテストでは凍結せず、凍結防止に最も有効だった |
| 前の晩 | ワイパーを立てておく | ゴムがガラスに凍りつくのを防ぐ。雪が多い日はアームの曲がりに注意 |
| 朝・始動前 | 雪があればマフラー周りを先に除雪 | 埋まったままの始動は一酸化炭素中毒の危険 |
| 朝・始動と同時 | デフロスター(外気導入・温度最大・風量最大)とリアデフォッガーをオン | 準備の間に内側の曇りを取る |
| 朝 | 外側の氷は解氷スプレー+スクレーパーで落とす | ワイパーを立ててから吹き付け、ゴムにかけない |
| やらない | お湯・熱湯をかける | ガラスの熱割れや再凍結のおそれ |
雪の日はマフラーが先
マフラーが雪に埋まったままエンジンをかけると、排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒の危険があります。JAFのテストでは、対策なしの車内は16分で短時間の許容限度とされる400ppmに達しました。マフラー周りを除雪した車では、ほとんど検知されていません。窓を5cmほど開けても防げなかったので、エンジンをかける前に必ずマフラー周りの雪を取り除いてください。(出典:JAFユーザーテスト『クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意』)
真冬の朝は、外気温が0℃近くまで下がるとA/C(除湿)が作動しないことがあります。内側の曇り取りは、デフロスターを外気導入・温度最大・風量最大にするのが基本。曇りが取れたあとも、内気循環に戻すと湿気がこもって再び曇りやすくなります。
私自身、冬は内窓が異常に曇りやすくて困っていました。市販の薬剤で拭くと、ギラつきや拭き跡が残ってしまい満足できなかったんです。
そこで冬になる前の8月、薬局で150円ほどの精製水を買い、マイクロファイバークロスで内窓を拭いてみました。すると、今まで使ったどの薬剤よりもきれいに仕上がり、新品のようなガラスに。曇りにくさの効果はこの冬に確かめるところですが、手軽に試せる内窓の手入れです。
外側の氷を手早く落とすなら、スクレーパー付きの解氷スプレーを1本用意しておくと段取りが楽になります。たとえばプロスタッフの「解氷スプレー 420」は、−40℃でも凍らない高濃度タイプで、スクレーパーキャップ付き。お湯のような急な温度差を与えないぶん、ガラスの熱割れのリスクも抑えられます。使う前に、製品の用途表示と注意書きは確認しておきましょう。
プロスタッフ 解氷スプレー 420
−40℃でも凍らない高濃度タイプ。キャップがスクレーパーになっていて、溶かして削る作業が1本で済む
暖機運転は燃費に悪い?ガソリン代とアイドリング条例
停車暖機は、走らずに燃料を使うぶん燃費にはマイナスです。ただ、1回あたりのガソリン代は数十円ほど。お金より気にしたいのは、多くの自治体が条例で駐停車中のアイドリングをやめるよう定めている点です。

公的な目安では、10分間のアイドリング(エアコンOFF)で約130cc、5分間の暖機運転で約160ccの燃料を使います。別々の試験の値ですが、冷えたエンジンは回転が高めに制御されるぶん、短い暖機でも多く使うことがあると考えられます。
2026年9月14日時点のレギュラーガソリン全国平均(169.9円/L)で計算すると、次のとおりです。価格は時期で変わるので、あくまで目安として見てください。
| 条件 | 燃料の量 | 1回あたり | 12〜2月の毎朝(90日) |
|---|---|---|---|
| アイドリング10分(エアコンOFF) | 約130cc | 約22円 | 約11.7L・約1,990円 |
| 暖機運転5分 | 約160cc | 約27円 | 約14.4L・約2,450円 |
1回は小銭でも、ひと冬続けると2,000円前後になります。エンジンのためにならない出費と考えると、やめどきかなと思います。暖房やデフォッガーを使いながらのアイドリングでは、発電の負担が増えるぶん消費はさらに増える方向です。
排ガスへの影響もあります。暖機をやめてすぐ出発した試験では、ガソリン車でCO2が約6%、ディーゼル車ではCO2が約14%減りました。そもそも冷えたエンジンは、触媒が温まるまで排ガスをきれいにする力が弱いもの。止まって長く回すほど、環境への負担も増えます。
アイドリングの規制は、多くの都道府県や市が条例で定めています。東京都・千葉県・大阪府・北海道の公式ページを確認しました。暖機や霜取り、暖房のためのアイドリングを特別に認める規定は、いずれにも見当たりませんでした。
| 自治体 | 運転者の扱い | 補足 |
|---|---|---|
| 東京都 | 駐停車時のエンジン停止義務 | 違反は勧告、従わないと氏名などの公表(刑事罰ではない) |
| 千葉県 | 駐停車時のエンジン停止義務 | 除外の対象から、運転席などの冷暖房をはっきり外している |
| 大阪府 | 駐車時のアイドリングストップ義務 | 除外は緊急自動車や保冷車など |
| 北海道 | エコドライブに取り組む努力規定 | 公式ページに冬季・暖機の特例の記載はない |
自宅の敷地内での暖機が対象になるかは、自治体によって条文の言い回しが違います。気になる人は、お住まいの自治体の条例を確認しておくと安心です。住宅地では条例とは別に、エンジン音や排気ガスで近所に迷惑をかけないかも気にしたいところですね。
冬の暖機運転は必要?よくある質問
何年も毎朝5分ほど暖機してきました。急にやめても大丈夫?
やめて大丈夫と考えてよいと思います。今の乗用車では、停車暖機をしないこと自体でエンジンが傷むという根拠は、メーカーや環境省の公式情報に示されていません。やめる代わりに、発進後しばらくは急加速や高回転を避けて、走りながら温めてください。車の調子で気になる点があれば、点検のときに整備工場やディーラーに相談すると安心です。
エンジンスターター(リモートスタート)で車内を温めておくのはあり?
車内を暖めたり霜を取ったりする目的なら、便利な装備です。ただしエンジンのための暖機としては不要なので、目的は「視界と快適さ」と割り切るのがおすすめ。トヨタのアプリ式リモートスタートは、作動時間が10分か20分。取扱説明書自身も「一部地域では条例に抵触し罰則を受けることがある」と注意しています。密閉したガレージや、雪でマフラーがふさがった状態では使わないでください。
冬の朝のアイドリングで、バッテリーは充電される?
あまり期待できません。バッテリーメーカーのGSユアサによると、アイドリング中の発電量は、一定速度で走るときの40%程度になることもあるそうです。暖房やデフォッガーを使いながら止まっていると、発電より消費が上回ることも。充電のためには、1〜2週間に1回は1時間以上、渋滞の少ない道を走るのが同社の案内する目安です。
ディーゼル車も冬の暖機運転はいらない?
暖機をやめる方向はガソリン車と同じです。環境再生保全機構の試験では、暖機をやめてすぐ出発すると、ディーゼル車でNOxが約9%、PMが約8%減っています。ディーゼル車で冬に気をつけたいのは、暖機よりも軽油の凍結。冬の軽油は2号、寒冷地向けは3号・特3号と、凍りにくさで種類が分かれています。寒冷地へ出かけるときは、現地に入る手前でその地域の軽油を給油しておくと安心です。
電気自動車(EV)も冬は温めてから出たほうがいい?
EVにはエンジンがないので、暖機運転という考え方自体がありません。気になるのは暖房や霜取りで、出発前に車内を暖める事前の空調を使うかどうかは別の話です。排気ガスが出ないため、一酸化炭素中毒の心配がない点はエンジン車との違い。暖房で電気を使う点は頭に入れておき、使い方は取扱説明書で確認してください。
冬の暖機運転は原則不要、待つのは視界のためだけ
冬の朝は、止まって長く待たなくていいんだね。
そうなんです。長く待つとしたら、エンジンのためじゃなく前を見るためですね。
冬の暖機運転について、要点を振り返ります。

- 今の乗用車は、冬でも停車したままの暖機運転は原則不要(トヨタ・SUBARU・環境省)
- いらないのは「止まって温める」ことで、発進後しばらくは急加速・高回転を避けて走りながら温める
- 例外は極端な低温(環境省の目安は−20℃程度)と、しばらく乗っていない車。トヨタのFAQでは、その場合も待つのは数十秒
- ハイブリッド車・ターボ車・MT車も長い停車暖機は不要。止める前の冷却などは取扱説明書で確認
- 霜・氷・曇りで前が見えない朝は、見えるまで待つ。解氷スプレーやガラスカバーで時短できる
- 雪の日は、エンジンをかける前にマフラー周りを除雪する
- 停車暖機は燃料のムダになり、多くの自治体の条例も駐停車中のエンジン停止を求めている
絶対にこれが正解という話ではなく、車の年式や住んでいる地域によって判断は変わります。ここで紹介した数値は、あくまで一般的な目安です。正確な情報は、お乗りの車の取扱説明書やメーカー公式サイト、自治体の公式サイトでご確認ください。
エンジンの調子や異音など、気になることもあるかと思います。そんなときは無理に判断し切ろうとせず、整備工場やディーラーに相談する前提で考えてみてくださいね。
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