こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。
最近、洗車好きの間で話題になっている3pH洗車ですが、いざ挑戦しようとするとアルカリ性や酸性などの薬剤を使う順番や具体的なやり方が分からなくて困っていませんか。
コーティングの撥水を復活させたいけれど失敗して愛車を傷めたくないし、ラボコスメティカやプロスタッフなどの有名製品の違いも気になりますよね。
この記事では、そんな洗車初心者の悩みを解決するために、私が実際に学んだ正しい知識をもとに分かりやすく解説します。
- 3pH洗車の基本となるアルカリ性・酸性・中性の正しい順番とその理由
- 水シミや鉄粉汚れに対するアプローチの違いと製品の選び方
- 失敗しないための季節ごとの希釈率や具体的な手順のポイント
- アルマイトモールやゴムパーツへのダメージを防ぐための注意点
3pH洗車の順番とその効果的なやり方
3pH洗車を実践するうえで最も大切なのは、ケミカルを使う順番とその意味を正しく理解することです。
なんとなく薬剤をかけるのではなく、それぞれの液性が持つ役割を最大限に活かすことで、車を傷つけずに驚くほど綺麗にすることができます。

ここでは、なぜその順番でなければならないのか、それぞれのステップがどのような役割を果たしているのかを詳しく解説していきます。
アルカリ性と酸性と中性の基本ステップ
3pH洗車とは、その名の通り「アルカリ性」「酸性」「中性」という3つの異なるpH(液性)を持つ洗剤を使い分けて、汚れを化学的に分解・除去する洗車方法のことです。
従来の洗車は、スポンジでゴシゴシ擦って汚れを物理的に落とすのが一般的でしたが、この手法の最大の特徴は、可能な限り物理的な接触(擦る行為)を減らし、ケミカルの力で汚れを浮かせたり溶かしたりして落とす点にあります。
基本的なステップは、以下の順番で行うのが鉄則です。

この順番を間違えると効果が半減するどころか、汚れが落ちにくくなる可能性さえあります。
この順番は適当に決まっているわけではなく、汚れの「層」構造に基づいた化学的な理由があります。
車に付着している汚れは、最上層に油分などの「有機汚れ」があり、その下に水シミなどの「無機汚れ」が層になって重なっています。
これを効率よく、かつ安全に除去するための最適解がこのシーケンスなのです。
まずは外側の油を剥がし、次に内側のミネラルを溶かし、最後に整える。これが3pH洗車の黄金律です。
酸性よりアルカリ性が先の重要な理由
「水シミが一番気になるから、いきなり酸性シャンプーを使って溶かしたい!」と思う方もいるかもしれません。
実は私も最初はそう思っていましたが、これはプロのディテイリングの世界では推奨されません。なぜなら、酸性洗剤の効果を最大化するためには、その前段階であるアルカリ洗浄が不可欠だからです。

車のボディ表面は、走行中に巻き上げた路面の油分や、排気ガスに含まれる油性の微粒子による「油膜(トラフィックフィルム)」で常に覆われています。
ご存知の通り、油は水を弾く性質があります。酸性洗剤の多くは水溶性であるため、いきなり酸性ケミカルをかけても、表面の油膜がバリアとなって弾いてしまい、肝心の水シミ(スケール汚れ)まで薬剤が浸透しないのです。
そのため、まずはアルカリ性洗剤で表面の油膜や有機汚れを乳化・分解し、塗装面を「親水(水が馴染む)」状態にすることが非常に重要です。

油膜バリアを取り除くことで、次のステップで使う酸性洗剤が水シミなどの無機汚れに対してダイレクトに作用し、化学反応を効率よく起こせるようになります。
つまり、「アルカリが先」というのは、単に汚れを落とすだけでなく、次の工程のための「下地作り」という意味でも非常に理にかなっているのです。
また、酸とアルカリが混ざると中和して洗浄力が落ちるため、工程の間にしっかりと水ですすぐことも忘れてはいけません。
水シミ分解と鉄粉除去の役割の違い
3pH洗車における「酸性ステップ」の主な目的は、コーティングの上に蓄積したミネラル汚れ(水シミ、カルキ、スケール、イオンデポジット)を化学的に溶かして除去することです。

これを専門用語で「スケール除去」と呼びます。スケールはコーティングの撥水を阻害する最大の要因なので、これを取り除くことで驚くほど水弾きが復活します。
一方で、「鉄粉除去」は少し役割が異なります。鉄粉はブレーキダストや鉄工所の粉塵などが塗装面に突き刺さった物理的な固着物であり、酸化して錆びていることが多いです。
一般的な3pH洗車の酸性シャンプー(スケール除去剤)だけでは、刺さった鉄粉を完全に溶かしきることは難しい場合があります。
つまり、スケール汚れで撥水が弱っているなら酸性シャンプー、ザラザラした鉄粉が気になるなら鉄粉除去剤、というように目的に応じて使い分ける必要があります。
もちろん、両方気になる場合はアルカリ洗車の後に鉄粉除去を行い、その後に酸性洗剤を使うという流れが完璧です。
ただし、鉄粉除去剤も強力なケミカルなので、毎回行う必要はなく、ザラつきが気になった時だけのスペシャルケアとして取り入れるのがおすすめです。

ラボコスメティカやモンスターの比較
3pH洗車を始めるにあたって、どの製品を使えばいいか迷いますよね。
市場には様々な製品がありますが、代表的なブランドであるイタリアの「ラボコスメティカ(Labocosmetica)」と、日本のカー用品メーカー「プロスタッフ(ProStaff)」のモンスターシリーズを比較してみました。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選びましょう。
| 項目 | ラボコスメティカ (Labocosmetica) | プロスタッフ (Monster) |
|---|---|---|
| ブランド背景 | イタリアの老舗Ma-Fra社が展開。3pH洗車システムを世界的に確立したパイオニア的存在。プロのディテイラーも愛用。 | 日本の大手メーカー。日本の過酷な環境(黄砂・花粉・湿気)に合わせて開発された、一般ユーザー向けの製品。 |
| アルカリ剤 | PRÌMUS(プリムス) 業界初のVDA(ドイツ自動車工業会)認証を取得。アルミやゴムへの安全性が担保されており、安心して使える。 | モンスター ディープアルカライン 「汚れを狩る」がコンセプト。泡立ちが非常に良く、こびりついた油汚れや虫を強力に分解する。 |
| 酸性剤 | PURÌFICA(ピュリフィカ) コーティングの「若返り(Rejuvenation)」に特化。スケールを分解し、撥水基を復活させる性能が非常に高い。 | モンスター フォースアシッド イオンデポジットや雨ジミの除去に特化。ムスクの香りが特徴で、作業中の不快感を軽減。 |
| おすすめ層 | 本格的なディテイリングを楽しみたい中〜上級者向け。通販や専門店での購入が主。 | オートバックス等の量販店で手軽に買いたい初心者〜中級者向け。コスパ重視の方にも。 |
どちらも素晴らしい製品ですが、手軽に始めたいならプロスタッフのモンスターシリーズが入手しやすくおすすめです。
一方で、本格的にこだわりたい、あるいは輸入車のデリケートなモール類への影響が心配な方は、素材への安全性がより厳格にテストされているラボコスメティカを選ぶのが良いでしょう。
私は気分によって使い分けていますが、どちらも効果は抜群です。
フォームガンなどの必要な道具と準備
3pH洗車を成功させるためには、道具選びも重要です。特にアルカリ剤と酸性剤は強力なケミカルなので、安全に作業するための準備が必要です。普通のバケツ洗車とは少し違う装備が必要になります。
- 高圧洗浄機:ケルヒャーや京セラなどが一般的です。水道の水圧だけではフォームガンのきめ細かい泡を作れず、また薬剤を吹き飛ばす際にも高圧水流が必要です。圧力は7〜9MPa程度あれば十分です。
- フォームガン(スノーフォームランス):高圧洗浄機の先に取り付けて、洗剤を雪のような泡にして噴射するアタッチメントです。泡が濃密であるほど、垂直なボディ面にも長く留まり(滞留時間)、汚れを浮かす効果が高まります。
- 計量カップ:3pH洗車では希釈倍率(例:1:10〜1:100)を正確に守ることが非常に重要です。目分量で濃く作りすぎると、塗装へのダメージリスクが高まります。
- 保護手袋・メガネ:酸やアルカリは皮膚を荒らしたり、目に入ると危険です。必ずニトリル手袋や保護メガネを装着して作業してください。
- バケツとミット:最後の中性洗車(コンタクトウォッシュ)で使用します。砂の混入を防ぐグリッドガード付きのバケツを2つ用意(2バケツ洗車)すると、より傷のリスクを減らせます。
- ディテールブラシ:エンブレム周りやグリルなど、細かい隙間の汚れを掻き出すのに便利です。アルカリや酸に耐性のある化学繊維のものを選びましょう。
特にフォームガンは、非接触で汚れを落とす「プレウォッシュ」の要となるアイテムです。しっかりとした泡を作ることで、汚れに薬剤が長く留まり、洗浄効果を高めることができます。
これがあるだけで洗車の楽しさが倍増するので、ぜひ導入を検討してみてください。
3pH洗車の順番における頻度と注意点

強力な洗浄力を持つ3pH洗車ですが、やりすぎや間違った使い方は逆に車を傷める原因にもなります。
ここでは、頻度や注意点について詳しく見ていきましょう。正しい知識を持つことが、愛車を守る最大の防御になります。
季節ごとの希釈率と具体的な手順
3pH洗車の面白いところは、季節や汚れ具合によって洗剤の希釈率を変える「調整(マイクロアジャストメント)」ができる点です。特にラボコスメティカの製品などは、公式に季節ごとの推奨希釈率が設定されています。
これは、季節によって付着する汚れの種類や量が異なるからです。
例えば、冬場は融雪剤(塩化カルシウム)や泥汚れがひどくなりやすいため、アルカリ剤を濃いめ(1:30など)に設定して有機汚れと塩分をしっかり落とします。
一方、夏場は虫の死骸などの有機汚れがメインになりますが、乾燥が早いため少し薄め(1:50など)にしてリスクを下げるといった調整が可能です。
酸性洗剤に関しても、梅雨明けなどは水シミができやすいため、状況に応じて濃度を調整します。
アルマイトやゴムパーツへのデメリット
輸入車(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなど)に乗っている方は、3pH洗車を行う際に特に注意が必要です。欧州車の窓枠に使われている金属モール(アルマイト加工されたアルミニウム)は、日本の気候だけでなく、アルカリ性の薬剤に対して非常に弱い性質を持っています。
高濃度のアルカリ洗剤がかかったまま放置されたり、乾燥したりすると、化学反応を起こして「白サビ」のようなシミ(アルカリ焼け・白濁)が発生することがあります。
一度白濁してしまうと、通常の洗車では落ちず、研磨などの大掛かりな修復作業が必要になってしまいます。
また、ゴムパーツや未塗装樹脂も、強力なアルカリ洗浄を頻繁に繰り返すと、素材に含まれる油分や可塑剤が抜けてしまい、白っぽくなったり硬化が進んだりすることがあります。洗車後は、水性のタイヤワックスや樹脂専用のコーティング剤で保湿ケアをしてあげることが大切です。
失敗を防ぐための乾燥対策と注意点
3pH洗車で最もやってはいけない失敗、それは「薬剤をかけたまま乾かしてしまうこと」です。これは絶対に避けてください。

酸やアルカリの成分が塗装面で乾燥して濃縮されると、塗装やコーティング被膜を侵食し、取れないシミ(焼き付き・化学的なイオンデポジット)の原因になります。
これを防ぐためには、以下の環境選びと作業手順の工夫が不可欠です。
- 炎天下での作業は避ける:直射日光が当たるとボディ表面温度が上がり、瞬時に薬剤が乾燥します。早朝や夕方、曇りの日に行いましょう。
- ボディが熱いときは冷ます:走行直後など、ボンネットやブレーキローターが熱い状態での作業は厳禁です。まずは大量の水で全体の温度を下げてから始めます。
- 乾きそうになったらすぐ流す:説明書に「5分放置」とあっても、風が強くて乾きそうな場合は、時間を待たずに洗い流す勇気が大切です。
- パネルごとに洗う(分割施工):車全体を一気に泡だらけにするのではなく、「右側面だけ」「ボンネットとルーフだけ」というように分割して洗うのも非常に有効なリスク回避策です。
施工の推奨頻度とコストパフォーマンス
「毎回洗車のたびに3pH洗車をしなければならないの?」という質問をよく受けますが、答えはNoです。3pH洗車は人間で言えば「ピーリング」や「デトックス」のような強力なディープクレンジングであり、毎週末に行うような日常ケアではありません。やりすぎは塗装への負担になる可能性もあります。
推奨される頻度は、1ヶ月〜2ヶ月に1回程度、または長距離ドライブの後や、撥水が悪くなったと感じたタイミングが目安です。
普段(週1回など)は、ステップ3の中性シャンプーだけを使った優しい手洗い洗車を行い、汚れが蓄積してきたと感じた時だけフルコースを行うのが、車の塗装にとってもベストな管理方法です。
コスト面についても考えてみましょう。初期費用として洗剤を3種類(アルカリ・酸・中性)揃える必要があり、数千円〜1万円程度かかります。しかし、これらは高濃縮タイプ(希釈して使うもの)なので、1回あたりの使用量はごくわずかです。
計算すると、フルコース1回あたりの洗剤コストは数百円程度に収まります。プロショップにメンテナンスを依頼すると数千円〜数万円かかることを考えれば、自分でやる3pH洗車は圧倒的にコストパフォーマンスが高いと言えます。
3pH洗車の順番を理解して輝きを維持

ここまで3pH洗車の順番とやり方について解説してきました。少し難しそうに感じるかもしれませんが、基本は「アルカリで油を落とし、酸でミネラルを落とし、中性で仕上げる」というシンプルな化学反応の利用です。
正しい知識と手順で行えば、愛車のコーティング本来の撥水性能が蘇り、新車のような驚くほどの輝きを取り戻すことができます。自分で手をかけることで愛着もさらに湧くはずです。
ぜひ次回の洗車で、この3pH洗車にチャレンジしてみてくださいね。