緑色のジョイのボトルと高級車のボンネットに大きな疑問符が浮かんでいるイメージ画像

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洗車に中性洗剤のジョイはOK?錆びるリスクと正しい使い方

こんにちは。asovica(アソビカ)、運営者の「りょう」です。

愛車をきれいに保ちたいけれど、カー用品店に並んでいる専用のシャンプーって意外と値段が張るものですよね。そんなとき、ふとキッチンにある食器洗い用の洗剤が目に入り、「これって洗車に使えないのかな?」と考えたことはありませんか。

特に「ジョイ」はその強力な洗浄力で有名ですし、中性洗剤なら車にも優しそうなイメージがあります。

でも、ネットで検索してみると「錆びる」「失敗する」「塗装に悪い」といった怖いワードも出てきて、実際に代用していいのか迷ってしまいますよね。実は、私も以前はコストを抑えたくて色々と試行錯誤した経験があります。この記事では、成分の違いや希釈の方法、そして知っておかないと後悔するデメリットまで、詳しくお話ししていきたいと思います。

  • ジョイとカーシャンプーの成分的な違いと洗浄力の特性
  • すべてのジョイが中性ではなくアルカリ性の製品もあるという事実
  • 防錆剤が含まれていないことによるサビのリスクと対策
  • どうしても使う場合に守るべき希釈倍率と具体的な使用手順

洗車に中性洗剤のジョイを使う前の基礎知識

まずは、私たちが普段キッチンで使っているジョイと、車専用に作られたカーシャンプーがどう違うのか、その根本的な部分から見ていきましょう。ここを理解しておかないと、愛車をきれいにするつもりが、逆に傷めてしまうことになりかねません。

ジョイの成分と専用シャンプーの違い

一番の大きな違いは、汚れを落とす主役である「界面活性剤」の濃度と設計思想にあります。

食器用洗剤は界面活性剤約33%で防錆剤なし、カーシャンプーは界面活性剤数%〜10%で防錆剤・潤滑剤ありという比較図

私たちが普段使っているジョイなどの食器用洗剤は、牛脂やラードといった頑固な動物性油脂、あるいは植物油を「こすらず落とす」レベルまで強力に分解するために作られています。そのため、製品にもよりますが界面活性剤の濃度が約33%程度と非常に高く設定されているのが一般的です。

これは、わずか数滴で大量の油汚れを乳化させるための設計であり、まさに「油汚れキラー」と言えるスペックです。

一方で、カーシャンプーに含まれる界面活性剤の濃度は、一般的に数%〜10%程度に抑えられています。なぜこんなに違うのでしょうか?それは、自動車の塗装面(クリア層)が、食器のように高温で焼成されたセラミックやガラスとは異なり、非常にデリケートな有機化学製品だからです。

カーシャンプーは、単に汚れを落とすだけでなく、以下のような「車を守り、洗車を助ける」ための成分がバランスよく配合されています。

成分・機能ジョイ(食器用)カーシャンプー
洗浄力(脱脂力)極めて高い(油分を完全に除去)適度(必要な油分は残す場合も)
防錆剤なしあり(金属の腐食を抑制)
潤滑剤少ない(泡立ちは良いが滑らない)あり(スポンジ傷を防ぐヌメリ)
キレート剤あり(水道水のミネラル対策)あり(イオンデポジット対策)
泡切れ粘りがあり悪い(持続性重視)サッと消えて良い(作業性重視)

特に重要なのが「潤滑剤」の存在です。カーシャンプーを使ったことがある方は分かると思いますが、指で触ると少しヌルッとした感触がありますよね。このヌメリが、スポンジと塗装面の間の摩擦係数を下げ、洗車傷(スクラッチ)を防ぐクッションの役割を果たしています。

対してジョイは、油分を取り去って「キュキュッ」とさせることを目的としているため、この潤滑性が不足しがちです。つまり、ジョイは「油汚れを剥がすこと」に特化しており、カーシャンプーは「車を傷つけずに洗うこと」に特化していると言えますね。

実は全てのジョイが中性ではない

これ、意外と知られていないのですが、すごく重要なポイントです。「ジョイなら中性だから安心だろう」と思って手に取ったそのボトル、実は中性じゃないかもしれません。もし手元に製品があるなら、今すぐ裏面の「液性」という欄をチェックしてみてください。

かつては食器用洗剤といえば中性が当たり前でしたが、近年の製品は機能性を追求するあまり、液性が多様化しています。特に注意が必要なのが、洗浄力を強化したスプレータイプや、特定の機能を持たせた製品群です。

ジョイミラクルクリーン泡スプレーの画像と、アルカリ性がコーティングや塗装にダメージを与えるという警告アイコン

製品ごとの液性の違いに注意!

  • 除菌ジョイ コンパクト:これは一般的に「中性」や「弱酸性」のものが多いです。手肌への優しさを考慮した設計になっています。
  • ジョイ ミラクルクリーン 泡スプレー:こちらは強力な洗浄力を出すために「アルカリ性(弱アルカリ性)」に調整されています。(出典:P&G公式サイト『製品の成分情報』

もし「アルカリ性」のジョイを使って洗車してしまうと、どうなるでしょうか?アルカリ成分はタンパク質や油脂を分解する力が強いため、塗装の最表面にあるクリア層(樹脂)に科学的なストレスを与え、微細なクラックや白濁(くすみ)の原因になります。

さらに深刻なのが、ガラスコーティングやポリマーコーティングへの影響です。

多くのコーティング被膜は酸やアルカリに対して一定の耐性を持っていますが、高濃度のアルカリ洗浄成分に晒され続けると、撥水基(水を弾く成分)が破壊され、高価なコーティングが無効化されてしまうリスクがあります。

「中性洗剤だと思って使ったら、実はアルカリ性でコーティングが剥がれてしまった…」なんてことにならないよう、必ず確認する習慣をつけましょう。

ジョイ洗車で車が錆びるリスク

「食器用洗剤で洗車すると車が錆びる」という話、聞いたことありませんか?これは単なる都市伝説や脅し文句ではなく、電気化学的な根拠に基づくリスクです。

先ほどの比較表でも触れましたが、食器用洗剤には「防錆剤(サビ止め)」が入っていません。当然ですよね。お皿やスプーンはステンレスや陶器でできているので、洗っている最中に錆びる心配なんてないからです。

しかし、自動車は違います。

ブレーキディスク、足回りのボルト、ドアのヒンジ、そして飛び石で塗装が欠けたボンネットなど、鉄がむき出しになっている「酸化に弱い部分」がたくさんあります。

ドアヒンジの隙間やボルト部分に赤サビが発生している拡大イメージ。防錆剤が含まれていないリスクを示す図

カーシャンプーには、水と金属が接触した際の酸化反応を抑制する成分が含まれているため、洗車中の数十分間、水に濡れていてもサビの発生を抑えてくれます。

しかし、ジョイにはその機能がありません。それどころか、界面活性剤を含んだ水は浸透力が高く、電気を通しやすい「電解質溶液」として機能するため、真水よりも腐食を早める可能性があります。

さらに怖いのが「隙間腐食(クレビス腐食)」です。

ドアの袋状構造内部、ウェザーストリップ(ゴム)の裏側、サイドモールの隙間などに高濃度の洗剤成分が入り込むと、完全に洗い流すことが非常に困難です。

そこに残った界面活性剤が湿気を呼び寄せ、局所的な電池を形成して、見えないところでジワジワとサビを進行させてしまうのです。「表面はピカピカだけど、ドアの下から茶色い水が垂れてくる…」なんて事態は避けたいですよね。

特に年式の古い車や、塗装が薄くなっている車の場合は、このリスクを深刻に捉える必要があります。

洗剤代用による失敗とデメリット

コスト面では1本数百円と非常に魅力的なジョイですが、実際に洗車に使ってみると、「作業性」や「仕上がり」の面でデメリットを感じることが多く、結果的にコストパフォーマンスが悪くなることもあります。

最大の難点は「泡切れの悪さ」です。食器用洗剤は、スポンジにつぎ足さなくても長く洗えるように「泡持ち」を良くする設計になっています。

この「粘り気のある泡」が、洗車では仇となります。いつものカーシャンプーの感覚でサッと水をかけても、ヌルヌルとした成分がなかなかしつこく残り、完全に落ちてくれません。

結果として、すすぎのために大量の水を使うことになり、水道代がかさむだけでなく、洗車時間も倍近くかかってしまうことがあります。

「洗剤残り」が招く最悪のシナリオ

もし、すすぎが不十分な状態で炎天下で乾燥してしまうと、残留した界面活性剤がレンズの役割を果たし、太陽光の熱を集めて塗装を焼いてしまいます。

これが除去困難な「イオンデポジット」や「ウォータースポット」の原因となります。数百円の洗剤代をケチった結果、数万円のポリッシュ(研磨)作業が必要になっては本末転倒です。

また、ジョイの強力な洗浄力は、車のボディに塗ってあるワックスや簡易コーティングまで根こそぎ落としてしまうことがあります。

「せっかく先週ワックスをかけたのに、ジョイで洗ったら水を弾かなくなった」というのはよくある失敗談です。ワックスを落としたくない、現状のコーティングを維持したいという方にとっては、洗浄力が高すぎることは明確なデメリットになります。

黒い車のボンネットに白く残った洗剤のシミとウォータースポットの画像。粘度が高く成分が残留しやすいことを示す

ゴムや樹脂パーツの劣化に注意

最近のSUV(トヨタのRAV4やハリアーなど)でよく見かける、フェンダーアーチなどの黒い「未塗装樹脂パーツ」や、窓枠を囲む「ゴムモール(ウェザーストリップ)」。

これらの素材にとって、ジョイの強力すぎる脱脂力はまさに天敵と言えます。

樹脂やゴム製品には、素材の柔軟性を保ち、紫外線による劣化を防ぐために「可塑剤(かそざい)」や「老化防止剤」という油分が含まれています。

皆さんも、古い輪ゴムがカチカチになって切れてしまった経験があると思いますが、あれは油分が抜けてしまった状態です。ジョイのような高濃度界面活性剤で頻繁に洗車を繰り返すと、表面の汚れだけでなく、この素材内部の大切な油分までも抽出(リーチング)してしまうリスクがあるのです。

タイヤの側面がひび割れて劣化している画像。可塑剤が抜け落ちてバーストの危険があることを警告する図

その結果、黒かった樹脂パーツが白っぽく変色する「白化現象(チョーキング)」が早期に発生したり、ゴムパッキンが弾力を失ってボロボロになったりします。一度白くなってしまった樹脂を元に戻すのは非常に大変です(専用の復活剤などが必要になります)。

さらに深刻なのはタイヤへの影響です。

タイヤのサイドウォール(側面)に原液に近い洗剤が付着し、そのまま放置されると、ゴムの劣化が進んで細かいひび割れ(クラック)が発生します。タイヤのひび割れは走行中のバースト(破裂)事故に直結する危険な兆候です。

「タイヤだけは絶対にジョイで洗わない」、あるいは「付着したら即座に大量の水で流す」、この徹底が安全のために不可欠です。

洗車で中性洗剤のジョイを賢く使う方法

ここまでリスクばかりを強調して少し怖がらせてしまったかもしれませんが、実はプロのディテイラーや洗車マニアの間でも、あえてジョイを使うシーンが存在します。それは「リスクを理解した上で、特定の目的のために限定的に使う」という方法です。

推奨される希釈倍率と泡立て方

もし、あなたが「それでもジョイを使いたい」と判断した場合、最も重要なのは濃度のコントロールです。原液をそのままスポンジに出してボディを擦る行為は、塗装を紙やすりで擦るのと同じくらいのリスクがあると考えてください。

適切な希釈倍率は、通常のカーシャンプーよりもかなり薄め、目安としては「30倍〜100倍」程度、あるいはそれ以上でも十分です。ジョイは少量でも凄まじい発泡力を持っています。

バケツの水に対して数滴から小さじ1杯程度(30倍〜100倍)に薄めることを示すイラスト

【塗装に優しい「ジョイ溶液」の作り方】

  1. まず、洗車用バケツに水を少量(数センチ程度)入れます。
  2. そこにジョイを数滴〜小さじ1杯程度垂らします(ポンプ式なら半プッシュで十分です)。
  3. シャワーノズルの設定を「ストレート」や「ジェット」にして、強い水圧で洗剤を叩くように水を注ぎます。
  4. バケツから溢れるくらいのモコモコの泡ができたら完成です。

この手順で作った「きめ細かい泡」をスポンジですくい、ボディの上を滑らせるように優しく洗うのがコツです。

泡がクッションの役割を果たし、潤滑成分の少なさを補ってくれます。逆に、泡立ちが悪い「シャバシャバ」の状態だと、スポンジと塗装が直接触れ合って傷の原因になるので注意してください。

コーティング施工前の脱脂に活用

ジョイが最も輝く瞬間、それは「コーティング前の下地処理(脱脂洗浄)」です。

古いワックスや油分を完全除去して塗装をすっぴんにするための、プロ推奨のリセット洗車のイメージ

新しくガラスコーティングやワックスを施工する際、塗装面に古いワックスの残りカスや油分が残っていると、コーティング剤がうまく定着せず、すぐに剥がれてしまったり、性能を発揮できなかったりします。

通常は「シリコンオフ」や「脱脂シャンプー」という専用ケミカルを使いますが、これらが手元にない場合、中性のジョイ(除菌ジョイなど)は非常に優秀な代用品となります。

「今日は徹底的に古い汚れをリセットして、新しくコーティングし直すぞ!」という気合を入れた日には、ジョイの強力な脱脂力が頼もしい味方になります。具体的な手順は以下の通りです。

  1. たっぷりの水で砂ぼこりを流す。
  2. 希釈したジョイでボディ全体を洗い、油分を除去する(水弾きがなくなる「親水状態」になればOK)。
  3. 念入りにすすぐ。
  4. 完全に水分を拭き取る。
  5. 直ちに新しいコーティングやワックスを施工する。
洗車後の塗装は無防備なため、すぐにワックスやコーティングを施工する様子を描いた画像

ポイントは最後の「直ちに」という部分です。脱脂後の塗装は、人間の肌で言えば洗顔直後の化粧水をつけていない状態と同じで、非常に無防備です。そのまま放置するとすぐに酸化したり汚れが固着したりするので、必ず保護膜を作ってあげてください。

ホイールの油汚れを落とすテクニック

ボディ以外でジョイが活躍するのが「足回り」、特にアルミホイールの洗浄です。

ホイールはブレーキパッドから出る鉄粉(ブレーキダスト)と、路面から跳ね上げられた油汚れが混ざり合い、非常に頑固な汚れが付着しやすい場所です。マイルドなカーシャンプーでは太刀打ちできないこの汚れにも、ジョイの分解力は有効です。

使い古したスポンジや専用のホイールブラシに希釈したジョイを含ませて洗うと、驚くほどスッキリと汚れが落ちることがあります。ただし、ここでもいくつかの注意点があります。

  • タイヤへの付着を避ける:前述の通り、タイヤのゴム劣化を防ぐため、なるべくゴム部分には泡がつかないように、あるいはついたらすぐに流すようにします。
  • 特殊なホイールには使わない:アルマイト加工、スパッタリング、マット塗装などの特殊な表面処理が施された高級ホイールは、化学変化に弱い場合があります。変色やシミのリスクがあるため、専用の中性クリーナーを使うのが無難です。
  • ナット穴のすすぎ:ホイールナットの穴は水が溜まりやすく、洗剤が残りやすい場所です。ここから錆びてくることが多いので、水流を使って徹底的に流しましょう。

すすぎ残しを防ぐための重要ポイント

ジョイを使う上で最も神経を使うべき工程、それが「すすぎ(リンス)」です。この記事で何度も触れていますが、食器用洗剤のヌメリは想像以上にしつこいです。

すすぎの際は、単に上から水をかけるだけでなく、以下のテクニックを意識してみてください。

まず、「時間の目安はカーシャンプーの2倍」と考えてください。「もう泡は消えたかな?」と思ってから、さらにプラス30秒〜1分ほど長く水をかけ続けるくらいの感覚でちょうど良いです。

手で軽くボディを撫でてみて(傷つけないよう注意)、ヌルッとする感触があればまだ洗剤が残っています。「キュッ」となるまで流し切りましょう。

ワイパーの付け根などの隙間を描いた図と、泡が消えてからさらに30秒すすぐことを推奨するアイコン

特に洗剤が残留しやすい「魔のゾーン」があります。

  • ドアミラーの可動部や隙間
  • フロントグリルの網目やエンブレムの周り
  • ワイパーの付け根(カウルトップ)
  • ドアノブの周辺や鍵穴
  • 給油口の蓋の中

これらの場所には、泡が入り込んで留まりがちです。ホースの先をつまんで水圧を上げたり、色々な角度から水を当てたりして、物理的に洗剤を追い出すようにしてください。もし高圧洗浄機を持っているなら、隙間の洗剤を吹き飛ばすのに非常に有効です。

洗車に中性洗剤のジョイを使う際の結論

最後にまとめとして、私の考えをお伝えします。

「日常的な洗車には専用のカーシャンプーを使い、ここぞというリセット洗車にはジョイを活用する」

日常の洗車には専用カーシャンプー、下地処理には希釈したジョイを使用するという使い分けルールを示す図

これが最も賢い付き合い方ではないでしょうか。

数百円の節約のために、大切な愛車の塗装を痛めたり、サビのリスクを高めたりするのは、長期的には修理代やリセールバリューの低下を招き、あまりお得とは言えません。日常のケアには、防錆剤や潤滑剤が入った専用品を使うのが間違いなく安全で楽です。

一方で、「コーティングをやり直したい」「ホイールの油汚れを落としたい」といった明確な目的がある場合には、ジョイはその強力な洗浄力を発揮する便利な「ケミカルツール」になります。

大切なのは、その特性(強力な脱脂力、防錆剤なし、すすぎにくい)を正しく理解し、適材適所で使い分ける知識を持つことです。

ぜひ、リスクとメリットを天秤にかけて、あなたと愛車にとってベストな洗車スタイルを見つけてみてくださいね。もし不安な場合は、無理せずカー用品店で「全塗装色対応」のカーシャンプーを一本買うことをおすすめします!

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