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3ph洗車でコーティング落ちる?真実と正しい手順

こんにちは。asovica(アソビカ)運営者の「りょう」です。

最近話題になっている3ph洗車について、すでに施工しているコーティングが落ちるのではないかと不安に思っている方は多いのではないでしょうか。

せっかく高いお金をかけてコーティングしたのに、強力な洗剤を使うことで台無しになってしまうのは絶対に避けたいですよね。

今回は、3ph洗車でコーティングが落ちるという噂の真相や、塗装を傷めないための正しいやり方、そして気になるデメリットや実施する頻度に関する疑問について、私なりの視点で詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、愛車のコーティングを保護しながら、驚くほどピカピカに仕上げるための知識が深まるはずです。

ポイント

  • 3ph洗車でコーティングが落ちると言われる本当の理由
  • 酸性やアルカリ性の洗剤が塗装面に与えるメリットとデメリット
  • コーティングを傷めずに3ph洗車を行うための具体的なやり方
  • 愛車の美しさを長期間キープするための適切な洗車頻度

3ph洗車でコーティングが落ちる噂の真相

「3ph洗車をすると、せっかくのコーティングが剥がれ落ちてしまうんじゃないか…」と心配になる気持ち、すごくよくわかります。

ここでは、その噂が本当なのか、そしてなぜそのようなイメージが定着してしまったのか、洗剤の性質やコーティングの仕組みに触れながら紐解いていきましょう。

コーティングの撥水低下とマスキング現象

まずは結論からお伝えしますね。正しい製品を選んで、メーカーが推奨する手順や希釈率をしっかり守って3ph洗車を行えば、ガラスコーティングやセラミックコーティングが簡単に落ちてしまうことはありません。

プロショップで施工するような本格的なコーティングは、車の塗装の一番上にあるクリア層と、ガッチリと化学的に結合(架橋構造と呼ばれます)しています。

そのため、3ph洗車で使う酸性やアルカリ性の洗剤が一時的に表面に触れたくらいでは、この強固なガラス被膜のネットワークが破壊されたり、溶けたりすることはないんですね。

では、なぜ「3ph洗車をしたらコーティングが落ちた!」「水弾きが弱くなった!」と感じてしまう方が多いのでしょうか?

実はそれ、コーティングが剥がれ落ちたわけではなく、汚れによる「マスキング現象」が原因である可能性が非常に高いんです。

目に見えない油分やミネラルの汚れの膜がコーティングを覆い隠している状態の図解

車を走らせていると、コーティングの表面には私たちの目には見えないレベルで、排気ガスに含まれる油分や微粒子、そして雨水や水道水が乾いて残ったミネラル成分(カルシウムやマグネシウムなど)が日々少しずつ蓄積していきます。

【補足】マスキング現象とは?

マスク(覆い隠す)という言葉の通り、コーティングの層そのものはしっかりボディに残っているのに、その上に覆い被さったミクロの汚れのせいで、本来の性能が発揮できなくなっている状態のことです。

これらの厄介な汚れが、コーティング表面にある水を弾くための微小な突起や成分(撥水基)をすっぽりと覆い隠してしまうんです。

撥水するための成分がミネラルや油の膜で覆われてしまうと、水は表面張力を保てなくなり、コロコロとした水玉にならず、ボディにベタッと張り付くような親水状態に変わってしまいます。

このベタッとした水引きを見たユーザーが、「強力な洗剤を使ったせいでコーティングが剥がれてしまった!」と錯覚してしまうのが、噂の最大の原因かなと思います。

つまり、コーティングは消えてなくなったわけではなく、汚れの下で「眠っているだけ」というわけですね。

酸性とアルカリ性がもたらす若返り効果

むしろ、3ph洗車はコーティングの寿命を延ばし、本来の性能を復活させるための「リフレッシュ(若返り)」にとても役立ちます。

中性洗剤では落としきれない汚れに対して、酸性とアルカリ性の洗剤がそれぞれ違う働きをしてくれるからです。

アルカリ性、酸性、中性の3つの洗剤が持つ油分やミネラル汚れに対する役割分担

例えば、アルカリ性の洗剤は油汚れや虫の死骸などを分解して浮かせるのが得意です。

そして、酸性の洗剤は、コーティングの隙間に詰まった厄介なミネラル汚れ(水垢など)を溶かしてくれます。

メモ

このように、汚れの「殻」を化学の力で取り除くことで、隠れていたコーティング層が再び顔を出し、施工したてのような強い水弾きとツヤが戻ってくるんですね。

塗装軟化やシミ発生などのデメリット

もちろん、強力な洗剤を使う以上、気をつけておきたいデメリットやリスクも存在します。

一部のプロの方々の間では、「高濃度のアルカリ性洗剤を頻繁に使うと、塗装のクリア層が柔らかくなり、洗車傷が入りやすくなるかもしれない」という意見もあるようです。

また、一番怖いのが洗剤がボディの上で乾いてしまうことです。

酸性やアルカリ性の成分が乾いてしまうと、普通のシャンプーとは比べ物にならないほど深刻なシミ(ケミカルバーン)を引き起こす可能性があります。

真夏の炎天下や直射日光が当たる場所での作業は、絶対に避けるようにしてくださいね。

絶対に乾かさない、炎天下を避ける、適切な割合で薄めるといった失敗しないための3つの鉄則

状態に合わせた最適な希釈率の考え方

3ph洗車を安全に行うためには、洗剤の「希釈率(薄める割合)」をしっかり管理することがめちゃくちゃ重要です。

濃すぎれば塗装やコーティングへのダメージリスクが高まりますし、薄すぎれば汚れを落とす効果が弱まってしまいます。

希釈率は、季節や汚れのひどさによって調整するのがおすすめです。

例えば、融雪剤などで車がドロドロになりやすい冬場は少し濃いめに、ボディの温度が上がりやすく洗剤が乾きやすい夏場は薄めにするなど、状況に合わせて変えていくのが安全なやり方かなと思います。

※数値はあくまで一般的な目安ですので、必ず各メーカーの公式サイトなどで推奨される希釈率を確認してくださいね。

長期維持を目的とした推奨の実施頻度

「3ph洗車って、毎回やらなきゃいけないの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、答えは「NO」です。

3種類の洗剤を準備して順番に使っていくのは、時間も体力もかなり使いますよね。

普段の洗車(1〜2週間に1回程度)は、中性シャンプーを使った手洗いで十分です。

そして、中性シャンプーでは落ちないミクロの汚れが蓄積して、水弾きが鈍ってきたと感じるタイミング、つまり「1ヶ月〜2ヶ月に1回」くらいのペースで3ph洗車を取り入れるのが、一番効率的で無理のないメンテナンス方法だと思います。

普段の洗車は中性シャンプーのみ、1ヶ月から2ヶ月に1回の頻度で3ph洗車を行うというスケジュール例

3ph洗車でコーティングが落ちるのを防ぐ手順

さて、ここからは実際に3ph洗車を行う際の具体的なステップについて見ていきましょう。

正しい順番とちょっとしたコツを押さえるだけで、コーティングを守りながら安全に汚れを落とすことができますよ。

リスクを回避する正しいやり方と環境

作業を始める前に、まずは環境を整えることが何よりも大切です。

先ほどもお伝えした通り、洗剤の乾燥は絶対に防がなければなりません。

注意

直射日光が当たらず、風の強くない場所を選び、必ずボディパネルが手で触っても熱くない状態に冷めていることを確認してからスタートしてください。

もし屋外で洗車する場合は、早朝や夕方など、気温が低くて日差しが弱い時間帯を狙うのがベストです。

プレウォッシュから始める具体的な手順

準備が整ったら、いよいよ洗車スタートです。3ph洗車は必ず「アルカリ性 → 酸性 → 中性」という順番で行います。それぞれの洗剤が持つ得意分野を、バトンのように繋いでいくイメージですね。

アルカリ性で油分を浮かせ、酸性で水垢を溶かす手順1と2の解説

ステップ1:アルカリ性洗剤でのプレウォッシュ(予備洗い)

まずは、アルカリ性の洗剤を使ったプレウォッシュから始めます。フォームガンや蓄圧式スプレーヤーを使って、車全体にたっぷりと泡を吹き付けていきましょう。

この時、ボディが完全に乾いた状態から直接泡を吹き付けるやり方と、一度高圧洗浄機で大まかな砂ぼこりなどを飛ばしてから泡をかけるやり方があります。

汚れがひどい時は一度水で流した方が傷つき防止になりますが、乾いた状態からかけた方がボディの水分で洗剤が薄まらず、本来の強力な洗浄力を発揮しやすいというメリットもあるので、車の状態を見て使い分けてみてください。

吹き付けた泡は、数分間放置している間に重力でゆっくりと下へ流れ落ちていきます。この過程で、道路の油汚れや排気ガスの汚れ、虫の死骸といった厄介な「有機汚れ」を化学的に分解(鹸化といいます)し、包み込んで浮かせてくれるんです。

注意

【注意点】 放置する時間は数分程度ですが、風向きや気温によっては早く乾いてしまうことがあります。絶対にボディの上で泡が乾かないように、常に状態を観察しながら作業を進めてくださいね。

十分な反応時間をとったら、高圧洗浄機で洗い流します。ここでのコツは「下から上へ、そして最後に全体を上から下へ」の順番です。いきなり上から流すと、垂れた水で下の泡が消えてしまい、どこまで流したか分からなくなってしまいます。この非接触の工程だけでも、車に付着した汚れの大半を安全に落とすことができますよ。

ステップ2:酸性シャンプーによるミネラル除染

アルカリ性のすすぎが終わったら、次は酸性シャンプーの出番です。ここでのターゲットは、普通の洗車では絶対に落ちない水垢やスケールなどの「無機汚れ」です。

酸性シャンプーを吹き付ける時の極めて重要なテクニックが、「車両の下から上に向かって、泡を積み上げるように塗布する」ことです。

ドアパネルなどの垂直な面に上から泡をかけてしまうと、重力で一気に流れ落ちてしまい、酸性の成分がミネラル汚れと反応するための時間(滞留時間)を十分に確保できません。下から上へ積み上げることで、ケミカルの密着性を高めることができるんですね。

そのまま数分間放置して、目に見えないミネラルの殻を化学の力でしっかり溶かします。

その後、再び高圧洗浄機で洗い流しますが、酸性成分がパネルの隙間やエンブレムの周り、モールの隙間などに残ってしまうとダメージの原因になりかねません。アルカリ性の時以上に念入りに、徹底的にすすぎを行ってください。

メモ

【応用編】ホイール周りにも効果抜群! この「アルカリ性で油や古いタイヤワックスを落とし、酸性でブレーキダストや鉄粉を溶かす」というプロセスは、汚れが過酷なホイールやタイヤ周りの洗浄にもそのまま応用できます。柔らかいディティーリングブラシなどを併用すると、驚くほど綺麗にリセットできますよ。

中性シャンプーを用いた安全な最終仕上げ

酸性とアルカリ性での「触らない洗車(タッチレス)」が終わったら、いよいよ最後のステップ、中性シャンプーを使った手洗いです。

ここでの目的は、強力な洗浄力を発揮させることではなく、すでに浮き上がっているわずかな汚れを、優しく絡め取ることです。

そのため、3ph洗車用の中性シャンプーは洗浄力よりも「滑りの良さ(潤滑性)」が重視されています。

たっぷりの泡を使って、マイクロファイバーのミットなどで、ボディの上から下へ向かって極めて弱い力で撫でるように洗っていきます。

この分厚い泡のクッションのおかげで、洗車傷がつくのを防ぎながら、安全に仕上げることができるんですね。

洗車傷やケミカルバーンを防ぐ注意点

3ph洗車の最終工程で、ただ汚れを落とすだけでなく「コーティング成分を含む保護シャンプー」を使って仕上げる場合、特有の注意点があります。

保護成分(シリカや特殊ポリマーなど)が含まれているシャンプーは、気温が高いと塗装面への「付着(硬化や乾燥)」が著しく早まるという性質を持っているんです。

注意

【ケミカルバーン(シミ)への警戒】 万が一、保護成分を含んだ泡がボディの上で乾いてしまうと、ムラになったり、最悪の場合は洗車前よりもひどいシミ(ケミカルバーン)になってしまう危険性があります。

車の屋根、ボンネット、ドアと順番に部分ごとに洗っていく手順の図解

これを防ぐための最大のポイントは、車全体を一気に洗おうとしないことです。

「まずはルーフを洗ってすぐにすすぐ」「次にボンネットを洗ってすすぐ」「それからドアパネルへ…」といった具合に、パネルごとに洗浄とすすぎを素早く完結させていくのが、失敗しないための鉄則になります。

また、洗車傷を防ぐという意味でも、作業の「スピードアップと疲労軽減」は非常に重要になってきます。

3ph洗車は3種類の洗剤を車全体に何度も散布するため、手動の蓄圧式スプレーヤーだと何度も何度もシュポシュポとポンピングする必要があり、正直言って腕や肩がパンパンになります。

疲れてくるとどうしても作業が雑になり、ミットでボディを擦る時に力が入ってしまって、結果的に洗車傷の原因になりかねません。

手動の蓄圧式スプレーヤーではなく電動スプレーヤーを使用することの推奨図解

【おすすめの解決策:電動ツールの導入】

体力的な負担を減らし、かつ安全に作業を進めるために、「電動のフォームスプレーヤー(電動噴霧器)」の導入を強くおすすめします。

ボタンを押すだけで自動的にきめ細かい泡を作り出し、一定の圧力で均一に噴射してくれるので、ポンピングの地獄から完全に解放されます。

作業時間がグッと短縮できるため、最初に吹き付けた洗剤が乾いてシミになるリスクも劇的に下げることができるんですよ。少し初期投資はかかりますが、洗車の質と安全性を高める上で、本当に買ってよかったと思えるアイテムかなと思います。

さらに、洗車後の仕上げとしてクイックディテーラー(QD)などを使って、指が滑るようなツルツルの手触り(スリック性)を出す場合、成分が完全に定着するまでに半日ほど時間がかかる製品もあります。

より強い被膜を作ろうと焦ってすぐに重ね塗りをしたり、頻繁に洗いすぎたりすると、逆に保護被膜の安定した定着を邪魔してしまうこともあるので、製品ごとの特性を理解して適切なインターバルを空けることも意識してみてくださいね。

3ph洗車でコーティングが落ちる不安の解消

ここまで読んでいただいて、「3ph洗車=コーティングが剥がれる」というのは誤解であり、むしろ美しさを保つための強力なメンテナンス方法であることがお分かりいただけたかと思います。

アルカリ性、酸性、中性というそれぞれの役割をきちんと理解し、正しい手順と希釈率を守れば、これほど頼もしい洗車システムはありません。

もちろん、強力なケミカルを扱う以上、取り扱いには十分な注意が必要です。

不安な場合は無理をせず、まずは目立たない場所で試してみるか、プロのディティーリングショップに相談してみてくださいね。(※最終的な判断は専門家にご相談されることをおすすめします。)

正しい知識を身につけて、ぜひ愛車との洗車タイムを楽しんでください!

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